最近どこにも出かけるチャンスがなくてネタ不足気味なので、モスクワにある公園の話をちょっと。
両方とも夏の終わりに行ったのだけど、それまでは、公園なんて、という気持ちで全くのノータッチエース。
でも、やることが限定されているここモスクワでは公園に行って、散歩して、ベンチで本でも読んで帰ってくるっていうのも悪くないな、と最近は思います。
① カローメンスコエ
モスクワ市の南部の丘陵地にある自然保護公園。
緑が一杯のこの公園は、世界文化遺産にも登録された写真のヴォズネセニエ教会(昇天教会)を持つ由緒正しき公園です。
どんな人が公園を訪れるかというと、デート中のカップル、子連れの夫婦、引退後の老夫婦など色々。
教会も他にいくつもあって、青いたまねぎ頭のカザン聖母教会はかなりいい感じ。
中は広くないけど、今までこっちで見た教会の中では最も敬虔な教徒が多いという印象だったなあ。
公園の横にはモスクワ川が流れていて、たまたま暑い日に行ったので、ご覧のように楽しそうに川で遊ぶ人達の姿を見ることができました。
イカしたおねえちゃんがいなくて、逆に太ったおばちゃんに目がいってしまう悲しい状況だったけど、ここでは川だけじゃなくて、公園の芝生で水着を着て日光浴する女子を見ることができたので、全体的な眺めは悪くなかったね。
このカローメンスコエ、毎年秋にはちみつ祭りが開かれることで有名だったところ。
一昨年からツァリツィノに移ったんですが、公園の中にはBEE-MASTER’S FARMSTEADと書かれた、要は「はちみつ名人の家」みたいな木造建物があります。
昔、この周辺は蜂蜜だけじゃなくて、リンゴやらチェリーやらのフルーツなどもよく採れたんだって。
ちなみに先日ツァリツィノで買ったはちみつ、最近朝よく食べてるオートミールに入れたりして少しずつ消費中。
② 戦勝記念公園
モスクワ市の西部にポクロンナヤ丘という丘があります。
ここに83年から95年にかけて第二次大戦の戦勝記念公園が建設されました。
そんなに時間をかけて作ったとはとても思えないものですが、かなり広い公園ではあります。
超背の高いオベリスクっぽい塔が建っていて、遠くからでもあそこが公園だとわかる目印になってます。
他にもいくつかのモニュメントや教会がありとてもきれいに整備された居心地のいい公園。
カップルや家族連れもいるけど、こっちの公園で目立ってたのはスケボーやローラーブレードをやっている若者。
最近モスクワ中心部にちょくちょく行くのだけど、モスクワの若い連中は相当欧米化してきてるな、と感じるね。うまく表現できないけど、洋服も含めた全体的なセンスがロシアっぽくない感じで、笑顔も出てる。スタバあたりでお茶しながら周りを見回してみるとだいぶオシャレなやつが多い。
まー、そうは言っても全般的にはロシア人のファッションセンスってかなり???な感じだけどね。
ところで、この戦勝記念公園はクツーゾフ大通りという広い道路に面しています。
このクツーゾフというのはナポレオン戦争(1812祖国戦争)時に焦土作戦でナポレオン軍を撃退させた軍人の名前です。
公園のすぐ近くにはこのクツーゾフさんを称えてご覧の凱旋門が建てられています。
パリの凱旋門と比べるとかなりしょぼい。
この戦争、ナポレオン軍を破ったのは、ロシアの「厳しい冬の寒さ」だったんです。
激戦のボロジノの戦いを経てモスクワに侵攻したナポレオン軍、しかしそこでは全てのライフラインを止められ、さらに数日間続いた火災で建物はほぼ全焼。
この焦土作戦で利用価値のあるものが一切なくなったモスクワ、ナポレオン軍の兵士・馬は飢え・疫病などで死んでいきます。そして冬の訪れと共に凍傷、さらには疲労により次々と兵士が亡くなっていき大きなダメージとなった挙句、ついにナポレオンはモスクワを退却することになったわけです。
こんな話聞くとほんと冬越せるか不安になってくるよなあ。
現時点でここモスクワはまだ降雪していませんが、今年の冬の寒さはかなり厳しくなるという予報があるらしく、かなりビビってる今日この頃ですわ。