2009年9月25日金曜日

極東へ

モスクワからはるばる8時間以上かけて、極東ロシアはウラジオストクへやってきました。
ロシアで極東と言った場合、連邦管区の一つである極東連邦管区を指すのですが、その中心都市が人口約60万人のこのウラジオストクです。

ここまで来たなら日本へも立ち寄りたいと思うのがシモニフの心。
しかし、そういう甘い希望は問屋が卸さず、無念の弾丸(でもないか)極東ツアーとなりました。

ここウラジオへは目と鼻の先にある日本から多くの物品が輸入されてきます。
主要な輸入品の一つは中古自動車で、なんと町往く乗用車の9割は右ハンドルの日本車です。

こんなマークⅡや

こんなクラウンなど、ロシアでは正式に販売されていなモデルのオンパレード。
さらにトラックはこんなものや、
こんなものなど、日本語のまんまで走り続ける車両も散見されます。
駐車場のゲートもご覧の通り右ハンドル車用に作られている状態で、左ハンドル車のドライバーは助手席の人に頼むか、一旦外に出て対応することもしばしば。
ところが、国産自動車メーカー保護を目的にロシア政府は本年1月より中古車の輸入関税を引き上げ。
極東の中古自動車産業が大打撃を受けているんです。
当初9か月間の暫定措置であったはずが、さらに9か月延長されることが最近の国会で承認されました。
ロシアへの輸出に頼っていた日本の業者にとってもこれは死活問題でしょう。
というわけで、ロシアでは中古車が全く売れていない、というか輸入されていないという現状。
にも関わらず今年の新車販売は前年比50%にとどまる見通しなので、景気回復は他国以上に遅れているというのがここにも表れているわけ。

ウラジオストクの町の雰囲気はと言うと、まず、海がある為に一般的なロシアの都市とはだいぶ印象が異なりました。
港にはこんな軍艦も。(逆光でよくわからん)

日露戦争時、この港を目指したバルチック艦隊を思い起こす。

また、モスクワで目にするソ連の集合住宅などが目立っておらず、中心地は道幅も狭く入り組んでいるので、ヨーロッパに近いような感覚。

神戸や長崎と似ていると人によっては言うようですが、個人的にはその印象を持ちませんでした。ただ、日差しや青空は日本に近いものがあると思う。

緊張感がなくてモスクワよりも居心地はいいね。
根付いている文化や生活様式、人々の嗜好もモスクワとは違いがあると思います。
白タクを止める人を全く見かけなかったことと、飲み屋のトイレがウォシュレット付だったことには驚いた。
物価も多少低いかな。
あと、余談ですが、女性がモスクワよりもかわいい気がします。(笑)

シベリア鉄道の起点であるウラジオ駅にも行ってみました。
はるかモスクワまで約9,300km続いているんですね。

しかし、ここからモスクワに向かうより、やっぱり日本に帰りたいと思うわけです。

スポーツ湾(なんだその名は)を望み、近くて遠い母国への想いを馳せるのです。
こっち逆方面だったかな。。。(笑)

2009年9月15日火曜日

宇宙飛行士登場

先日、アメリカで訪れたフロリダのケネディー宇宙センター。
そこでスペースシャトルに乗って宇宙へ飛び立つ疑似体験的アトラクションがありました。
宇宙船の打ち上げ前後の様子を映像を交えて説明してくれるのだけど、その映像の中に日本人宇宙飛行士・野口聡一さんの姿がありました。

もう3ケ月程前になりますが、野口さんの講演会がここモスクワで行われたんです。
野口さんは12月にロシアの宇宙船ソユーズで宇宙へ旅立ち、日本人としては最長となる6ヶ月の予定で国際宇宙ステーション(ISS)に滞在、科学実験やISSのシステム運用などを行うことになっています。
今回の打ち上げで野口さんは宇宙船の船長補佐を務める予定で、宇宙船の操縦を分担する初の日本人になるんだそうですよ。

現在ロシアで行われている訓練の合間を縫っての講演会には家族連れが多く、子供たちが全体の1/3程を占めていたんじゃないかな。
講演内容もそれに合わせて、先日まで宇宙に長期滞在していた若田飛行士が行った無重力状態でのおもしろ映像などが主で、今回の野口さんのミッションに関する詳しい説明はなし。大人たちの満足度はいま一つだったかも。

冷戦期、ソ連とアメリカは宇宙開発を競ってきた過去があります。
宇宙開発は、その技術が軍事へ応用可能であること、国民や世界の人々に与える心理的なインパクトが大きいことから、冷戦のパワーバランスを左右する非常に重要なテーマの一つだったんですね。

この宇宙開発競争は、アメリカが1969年にアポロ11号で人類初の月面着陸に成功するまでは、ソ連がアメリカを常にリード。
1957年、世界初の人工衛星打ち上げはソ連。
1961年、人類初の有人飛行に成功したのもソ連。
「地球は青かった」で有名なユーリ・ガガーリン。
モスクワのレニンスキー通りには今にも宇宙に飛んで行きそうな彼の像が。(笑)

現在はロシア・アメリカ以外にも日本など15ヶ国が参加する国際宇宙ステーション計画が宇宙開発の中心。来年2010年のステーション完成を目指します。
そして、今後は国際協調による月探査が計画されるとも言われています。

ところで、12月に野口さんが搭乗するソユーズは安全性の面で非常に評価が高い宇宙船なんだそうです。
二度の死亡事故を起こしているスペースシャトルに比べて、技術自体は古いが実証済の技術であり信頼性は上。
「経験に裏打ちされた伝統工芸」とは野口さんの言葉です。
ISSもソ連の宇宙ステーションであった「ミール」で使われた技術・経験を受け継いでいるそうだし、ロシアの宇宙技術は世界最先端。
しかし、宇宙・軍需技術の民需用機械への技術移転がうまくなされていないのは悲しいところ。
ロシアの自動車なんてひどいもんですよ。
折角、莫大なお金を注ぎ込んでいるのだから、もっと大きなリターンがないと意味ないんじゃないの?

野口さんの講演会自体はそれ程内容の濃いものではなかったけど、シモニフ的に宇宙への興味が大きくなったのは事実なんですわ。
フロリダでもディズニーワールドやユニバーサルスタジオはパスしても、ケネディー宇宙センターにだけは行ってみたいと思ってたし。
野口さん、普通のおじさんと言えなくもないのだけど、宇宙飛行士に選び抜かれた人だけになんとも言えない独特のオーラというかパワーというか。優しくて社交性のある人だけど、意志の強さを感じた気がするなぁ。
野口さんのミッション完遂、無事の帰還を祈っています。

講演の最後、
「宇宙に行く前と行った後で人生観が変わりましたか?」
という質問に対して野口さんはこう答えました。

「地球が生きていると感じた。人類は地球にしか生存できない。生き物としての地球をもっと大切にしなければならない。」

重み、ありました。

死ぬまでに一度宇宙へ。
行けたらいいなぁ。

2009年9月7日月曜日

アメリカに学ぶ

あっという間に9月になってしまった。。。
モスクワの夏ももう終わり。
日照時間も短くなり、気温も20℃を切るようになってきたので、そろそろ冬の準備開始でしょうか。

アメリカ旅行が既に遠くの記憶になりつつありますが、写真だけでもここに。

フロリダのケネディー宇宙センター。
いくつものロケットが並べられているRocket Garden。


そこで、宇宙飛行士になるシモニフ(笑)。

アトランタではメジャーリーグを観戦。
川上憲伸投手が所属するアトランタ・ブレーブスのおねーちゃん達。
愛想があってすごくいいと思います。


アトランタにあるCNNの本部に潜入。
スタジオ見学ツアーはあまり人気がなさそうだけど、個人的には良かったなぁ。


コカ・コーラの本社もアトランタ。
ワールド・オブ・コカ・コーラではコカ・コーラの歴史や製造工程を知ることができます。
メガネをかけて見る3Dアトラクションはとても面白かった。
最後には同社が世界各地で生産するドリンクを無料で試飲できるのです。


ミシガン湖とシカゴの摩天楼。
最高に素晴らしい景色だった。

John Hancock Centerのレストランからは町を見下ろしてみた。

絶景です。

アトランタでお世話になったT君夫妻の家で。

ナッシュビルでお世話になったKUR君夫妻とステーキを食べる。

シカゴでお世話になったKUS君夫妻とシカゴピザをほおばる。

と、色々と楽しめた旅行だったわけですが、今回久しぶりにアメリカを訪れて深く感じたのが、サービスの徹底とエンターテインメントのレベルの高さ。

お店に入れば店員の明るい挨拶が飛んできて、何か尋ねれば親切に対応してくれる。
お客さんをもてなそうというサービス精神が行き届いている印象あり。
一般人だって例えばお店の出入りの際には後ろから続く人のケアを忘れずドアを開閉するでしょ。
ロシアのようにスーパーのレジのおばちゃんにおつりを投げつけられるようなことは当然ないしね。

それから、ケネディー宇宙センター、ワールド・オブ・コカコーラ、メジャーリーグあたりが今回体験した娯楽だったかと思うけれど、いずれも客を楽しませる仕組みがよくできていて本当に感心した。

途中フロリダのオーランドも車で通過したのだけど、30過ぎの男が一人ぼっちでディズニーワールド、っていうのはさすがにないだろうと思い今回はスキップ。でも、行ったら行ったでおそらく凄く楽しくて為になる内容だったのではないかと思うので、ちょっと後悔してます。

あと、一般的には逆じゃないかと言われそうだけど、アメリカってロシアと比べると活気がある国だ、と思ったなぁ。
いろんな人種がいて、それぞれがしっかり独立して生きてるようで、潜在的なパワーが大きいような。よくわからないけど、エネルギーを感じました。

友人・後輩と遊べて楽しい旅だったわけですが、同時に社会勉強もできて得をした気がする充実の旅行でした。

やはり、別の世界に触れて刺激を受けないとダメだね。