2008年8月19日火曜日

南オセチア

楽しい旅行者の話の間にちょっと一服入れさせて。

「オリンピックの開会式の日にグルジアに攻め込むかよ普通。ロシアはなんて国なんだー。」
と誰もが思った南オセチア戦争について。

南オセチアはグルジアの北部でロシアと隣接する自治州です。
(北オセチアはロシアです)
民族自決権を訴え南オセチアの分離独立を支援しているロシア、領土保全を訴え独立を許さないグルジア。
1990年に紛争が勃発しますが、92年に停戦で合意。
国際法上はグルジアの一部ですが、それ以降は実質独立状態にあります。

今回の戦争、日本のメディアの論調は「ロシアがグルジアをいじめてる」というものじゃない?
(違ってたらすんません)

ロシア人の反応は逆。
「グルジアが先に攻撃してきた。グルジアが悪い。」です。

そうそう、これはグルジアが起こした戦争なんです。

この背景にはコソボの問題があると言われています。
今年の2月にコソボが一方的にセルビアからの独立を宣言。
これをセルビアが納得しないまま、欧米が認めた。

これを見た、南オセチアが「だったらおれらもグルジアから独立できる」と思ったわけ。
グルジアは危機感を募らせ停戦合意を破って攻撃を開始し、自治州内に配置されているロシア平和維持軍も空爆。
ロシアはこれに反撃したという流れ。

プーチンの天敵、グルジアのサーカシビリ大統領はアメリカの操り人形。
だから、グルジアはアメリカの命令なしでは軍事行動を起こさないと考えられる。
であれば、これはアメリカとロシアの戦争と言えないこともない。

新冷戦。

東欧MD計画、NATO拡大(グルジア・ウクライナ)などでロシア封じ込めを図るアメリカですが、憎きロシアをもっと苦しめたい。
オリンピック開会式の日にロシアがグルジアに攻め込んだぞー、というロシアに対する悪のイメージを定着させ国際的な評判を落としたい。
そして、戦後は南オセチアにNATO軍や国連軍を配置したい。
後者はどうも難しくなったようだね。
現時点では南オセチアは実質ロシアの支配下になったと見られます。

結局どっちが得をしたのかよくわかりませんが、どちらにも損得があったでしょう。
アメリカの傀儡・グルジアは、南オセチア併合は難しくなったかもしれないし、もう一つの紛争地帯アブハジアの独立にも火をつけたから、結構痛いよね。
でも、国民の反露意識は間違いなく高まったことでしょう。

この戦争、今のところこちらの生活には全く影響ないですが、グルジア料理のレストランにはちょっと恐いので行けないことがまず残念。
SMコンビと行く予定にしていたのに断念したから。
狂ったどっかのグルジア人がモスクワでテロとか起こさなけりゃいいな、と思うけど、まあその可能性は少ないでしょう。

これでグルジアにしばらく行けなくなってしまうのは非常に悲しいな。
過去2回仕事で訪問したことがありますが、首都トビリシはまた訪れたい場所の一つ。
市内を流れる川がとても印象的で、ヨーロッパ風の都会な町並みでいて岩山がすぐ目の前に迫るミスマッチがとても素敵です。
ワインも美味いし、女性もきれい♪

とにかく、旧ソ連でありながら親欧米のこのグルジアやウクライナあたりの動きをチェックするのは、国際情勢を見る上でとても興味深いんですよ。
わかってくれた?

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