2009年9月15日火曜日

宇宙飛行士登場

先日、アメリカで訪れたフロリダのケネディー宇宙センター。
そこでスペースシャトルに乗って宇宙へ飛び立つ疑似体験的アトラクションがありました。
宇宙船の打ち上げ前後の様子を映像を交えて説明してくれるのだけど、その映像の中に日本人宇宙飛行士・野口聡一さんの姿がありました。

もう3ケ月程前になりますが、野口さんの講演会がここモスクワで行われたんです。
野口さんは12月にロシアの宇宙船ソユーズで宇宙へ旅立ち、日本人としては最長となる6ヶ月の予定で国際宇宙ステーション(ISS)に滞在、科学実験やISSのシステム運用などを行うことになっています。
今回の打ち上げで野口さんは宇宙船の船長補佐を務める予定で、宇宙船の操縦を分担する初の日本人になるんだそうですよ。

現在ロシアで行われている訓練の合間を縫っての講演会には家族連れが多く、子供たちが全体の1/3程を占めていたんじゃないかな。
講演内容もそれに合わせて、先日まで宇宙に長期滞在していた若田飛行士が行った無重力状態でのおもしろ映像などが主で、今回の野口さんのミッションに関する詳しい説明はなし。大人たちの満足度はいま一つだったかも。

冷戦期、ソ連とアメリカは宇宙開発を競ってきた過去があります。
宇宙開発は、その技術が軍事へ応用可能であること、国民や世界の人々に与える心理的なインパクトが大きいことから、冷戦のパワーバランスを左右する非常に重要なテーマの一つだったんですね。

この宇宙開発競争は、アメリカが1969年にアポロ11号で人類初の月面着陸に成功するまでは、ソ連がアメリカを常にリード。
1957年、世界初の人工衛星打ち上げはソ連。
1961年、人類初の有人飛行に成功したのもソ連。
「地球は青かった」で有名なユーリ・ガガーリン。
モスクワのレニンスキー通りには今にも宇宙に飛んで行きそうな彼の像が。(笑)

現在はロシア・アメリカ以外にも日本など15ヶ国が参加する国際宇宙ステーション計画が宇宙開発の中心。来年2010年のステーション完成を目指します。
そして、今後は国際協調による月探査が計画されるとも言われています。

ところで、12月に野口さんが搭乗するソユーズは安全性の面で非常に評価が高い宇宙船なんだそうです。
二度の死亡事故を起こしているスペースシャトルに比べて、技術自体は古いが実証済の技術であり信頼性は上。
「経験に裏打ちされた伝統工芸」とは野口さんの言葉です。
ISSもソ連の宇宙ステーションであった「ミール」で使われた技術・経験を受け継いでいるそうだし、ロシアの宇宙技術は世界最先端。
しかし、宇宙・軍需技術の民需用機械への技術移転がうまくなされていないのは悲しいところ。
ロシアの自動車なんてひどいもんですよ。
折角、莫大なお金を注ぎ込んでいるのだから、もっと大きなリターンがないと意味ないんじゃないの?

野口さんの講演会自体はそれ程内容の濃いものではなかったけど、シモニフ的に宇宙への興味が大きくなったのは事実なんですわ。
フロリダでもディズニーワールドやユニバーサルスタジオはパスしても、ケネディー宇宙センターにだけは行ってみたいと思ってたし。
野口さん、普通のおじさんと言えなくもないのだけど、宇宙飛行士に選び抜かれた人だけになんとも言えない独特のオーラというかパワーというか。優しくて社交性のある人だけど、意志の強さを感じた気がするなぁ。
野口さんのミッション完遂、無事の帰還を祈っています。

講演の最後、
「宇宙に行く前と行った後で人生観が変わりましたか?」
という質問に対して野口さんはこう答えました。

「地球が生きていると感じた。人類は地球にしか生存できない。生き物としての地球をもっと大切にしなければならない。」

重み、ありました。

死ぬまでに一度宇宙へ。
行けたらいいなぁ。

2 件のコメント:

ふじ さんのコメント...

宇宙ネタ待ってましたー
確かに宇宙行ったら人生観変わるかもね。
宇宙行きも早くリーズナブルな値段になったらいいねぇ。
ロシアとアメリカの競争みたいに業者がどんどん出てくれば料金も安くなるでしょ?!

シモニフ さんのコメント...

宇宙関連事業は相当お金かかるみたいだから
宇宙旅行が一般化するのはまだまだ先の話だろうね。

ちなみに、こないだ宇宙から帰ってきた若田さんの活動報告会(?)が17日にモスクワで行われます。今回は行けなそうだけど。