もうすっかり昔の話ですが、例の往年のプレーヤー達によるテニスを観戦した後、車を運転しての帰宅中、後ろからパトカーに呼び止められました。
同乗していたロシア語が堪能な友人によると、その交通警察官(ガイー)は、ぼくが信号無視をして右折したと言っているらしい。
身に覚えがなかったんですが、確かに横のレーンの車は走り出していなかったなぁ。
警察と応対する時はいつも「ロシア語わからない」と英語で接していますが、この時もそう。
ロシア語ができない外国人に付き合っていても仕方ないからリリースしてやろう、と思わせる作戦です。
それがダメなら、賄賂を渡すのではなく法律に則った手続きを踏んで罰を受けてやろう。賄賂で解決するのが一般的なロシアでガイーが本当に正式なペナルティーを課すのかどうかを確かめてみたいと思ったんです。
とりあえず、車を降りて後ろに停車しているパトカーの助手席へ。
ロシア語でたたみかけてくるガイーに対して英語で「知らない」「わからない」と適当に対応。
どうやら彼はお金を要求するそぶりもなく、真面目に違反の切符を切ろうとしている様子。
そして、所定のフォーマットに免許証の個人情報を記入し始めた。
さらに、英語の話せる友人に電話をし、その彼を通じて「700ルーブルを警察署に支払いに来なければならない」と伝えてきたんです。
こんなガイーもいるんだ、と感心しながら、その通りやってみようと用紙が記入されるのを待ちました。
かなり多くの情報を書かなければならないようで、パトカーの中で暇だったわたくしは、ふと思いたち、車で待っている友人にパトカーの中から電話をして写真撮影を依頼。
どうでしょう。ガイーの横でほほ笑むシモニフ。
結局、最後に用紙への署名を求められたので書こうとした瞬間、署名欄の横にある日時が目に入りました。
どうやら警察署に出向いて罰金を払う時間帯が記されているようだったので、「この時間は働いてるからいけない。無理です。」など色々言ってみました。
実際、ちょうどはずせない会議が入っていたんです。
「この時間に来なさい。」
「いや行けない。」
「来なければいけない。」
「無理だって。働かないといけないもん。」
というようなやり取りを繰り返しまくり、最後の最後になってそのガイーが、
「わかった。もう行け!」
と言って、リリースされることになりました。(笑)
30分間程のガイーとの接触の果てに、700ルーブルを踏み倒したわけです。(笑)
珍しく真面目なガイーだったのに、ちょっとかわいそうだったかな。
そんなことがある一方で、失敗談もあるのです。
一か月程前、一方通行の小道を逆走してしまい、運悪くガイーに捕獲されてしまいました。
この違反は免許停止6か月のペナルティーを科せられるらしく、免許証も取られて携帯できなくなる。
わざわざご丁寧に交通法の冊子みたいなものを見せながら説明してきたガイー。
始めに免許を手渡していたので、なんとか取り戻さないといけない。
英語で何分間も「それは困る。なんとか免許を返してくれ。」と言ってはいましたが、これは金を渡してリリースしてもらうしかないなと思っていました。
すると、むこうから「Dealだ」と切り出してきた。
その英単語だけは知ってるのかよ。(笑)
と思いつつも、仕方なく値段交渉に入る。
初っ端に「10,000ルーブルだ(≒32,000円)」とほざいてきたので、ふざけんなと思い、2,000しか持っていないときっぱり宣言。 実際その時は15,000ルーブル程持っていたけど。
それじゃ話にならない、というそぶりのガイー。
「2,000しかないからそれ以上払わない」の一点張りで数分後に納得させた。
本当は1,000くらいにしたかったのだけど、あまりに低くてむこうが逆ギレしても困るからと思ってね。まあ仕方ない。
今、日本の免許証とその翻訳証明で運転しているのですが、国際免許証で運転することも可能。去年まではそれも携帯していたのだけど、正月休みで日本に帰国した際に新しいものを取得し忘れてしまって。
ダブルで持っていたら、国際免許証を渡してしまっていても、ガイーに対して強気に交渉できるなと今回思いました。別に持っていかれてもいいし。
ま、そんなわけで、こんなガイーと戦いも生活の一部になりつつあるシモニフです。
ガイーの不正絡みでは、こんなおもしろニュースもあります。
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2708082/5472254
また、2008年のデータですが、世界の賄賂指数ではロシアが最悪となっているというニュースも。
http://news.livedoor.com/article/detail/3953675/
政府は汚職の取り締まりを優先事項に挙げているし、昔から生活している日本人の方に言わせると、徐々にましになっていると言いますが、何といってもロシアですからねぇ。
まだまだ、先進国とは程遠い世界です。
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