11月6日、エルサレムからパレスチナ自治区のベツレヘムへ足を伸ばしてみることにしました。
パレスチナ自治区はヨルダン川西岸地区(West Bank)とガザ地区からなっていますが、ベツレヘムはWest Bankに属する町。
エルサレムから10キロ程度しか離れておらず、ツアープログラムに組み込まれることも多いこの町の見所は、イエスが生まれたとされる聖誕教会。
個人的にはそれを見に行くよりも、パレスチナの町や人々の様子を見たかったんです。
途中で国境というかチェックポイントを超える必要があり、行きはタクシーに乗って向かっていたら何のチェックもなくポイントを通過し、自治区に入ってしまった。
あれ、と思いながら後部座席から撮ったのがこれ。
携帯のローミングもパレスチナの会社に自動変更され、自治区内に入ったんだなと少し緊張。
ただ、その後すぐに別のタクシーに乗り換えさせられて中心部に向かった。
最初のタクシーはなぜか足早にイスラエルに引き返してしまった。
よくわからない。
ほんとはここまで入ってはいけなかったのかな。
帰りにボーダーの係員にお金をあげて引き返したりするんでしょうか。。。
とりあえず、聖誕教会に向かってみる。
エルサレムから来たと思われる団体旅行客でそこそこの賑わい。
地下の洞くつにあるこの☆印がイエスの生まれた場所。
教会を後にして町をぶらついていると、看板はどれもアラビア語のみでほとんどの女性はイスラムの衣装を着用している。
スークに毛が生えた程度のごみごみした商店街と行き交うパレスチナの人々の波がいい具合にミックスされたなんとも言えない、ザ・アラブという光景が広がっていて、人種のるつぼとなっているエルサレムとの違いを見て取れました。
さて、ベツレヘムからエルサレムに引き返そうと、帰りは直行のバスを利用。
のはずだったんですが、観光客は直行のバスに乗っちゃだめ、と運転手に言われてしまった。
チェックポイントまでタクシーで行ってから、ボーダーを超えてイスラエル側に入ったところでバスに乗れ、というのでしぶしぶその指示に従う。
同じようにバスで直接帰ろうとしていたオーストラリア人カップルとそこからしばらく行動を共にすることに。
カップルと一緒にタクシーで移動。
チェックポイントはいくつかあるようで、帰りはどうやら来た時とは別のポイントに向かっているようだ。
と、ぼーっと外を眺めていたら突然目の前にこいつが現れた。 壁だ。
そう、イスラエルがテロ防止を目的にパレスチナ自治区に建設している分離壁だ。
びっくりして、「うおー」と見た瞬間思わず口に出てしまった。
タクシーが壁沿いを走りながらチェックポイントに向かう。
イスラエルはこれを分離フェンスと言っていますが、これは紛れもなく壁。
この中にパレスチナ難民が暮らしている。
自分がこんな紛争地帯にいるのが少し信じられない感覚。
この旅で最も衝撃的な瞬間だったなぁ。
壁に隣接しているチェックポイントを超えて無事にイスラエルへ再入国。
その日のうちにエルサレムからテルアビブへ移動し、次の日モスクワへ帰還。(出国時かなりの尋問を受けたが)
ロシアを無視して書きまくっていますが、イスラム過激派とロシアの関係は我々住民には見逃せないし、イスラエル・パレスチナ問題は世界情勢を大きく左右する。
ある意味世界の中心であるエルサレム。
聖地と言われる場所を訪れておきながら、きな臭い危うさを自然と感じてしまう不思議な感覚を常に持って過ごしていました。
世界平和を祈っています、と猿でも言えるようなことを言うのが逆に恥ずかしくなる場所にいるなぁとも。
最後の夜にテルアビブを歩いていたら、「この先に爆弾らしきものがあるから、道を迂回しなさい」と警官に言われた。
まわりの人の様子を見ている限り、このような騒ぎはきっと日常茶飯事なんだと思う。
他国を旅する時以上に、「ここでしか味わえないもの」に出会えた実に貴重な旅となりました。
4 件のコメント:
久しぶりです。
いや、本当に、貴重な経験してると思う。僕なんかニュースや本の中でしか知らない世界なので、実際に身近な人が行っていると不思議な感じがするわ。いつか行ってみたいです。
とりあえず無事でよかったね。
それにしても日本に幽閉されているのも苦しいもんだよ。早く出たい。。。
デジキャプテン、お疲れ。
米国にもたくさんユダヤ人いたんじゃない?
海外脱出はきっともう間もなくでしょう。
おれはもう1年くらい経ったらとりあえずモスクワはおなかいっぱいかなぁ。
年末年始に飲みましょう。
ご無沙汰してます。
いい旅行だったみたいですね〜!
僕も行きたくなっちゃいました!
そして、動画レポート・・・
だいぶ様になってきましたね 笑
モスクワ今年も寒波らしいので、
風邪を引かないようにお気をつけ下さい♫
おー、アベコフ。
久しぶり!
元気に合コンしてますか?
アベコフがモスクワ駐在したら、一度イスラエル行ってみるといいでしょう。
出張時、また連絡ください。
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