2010年12月26日日曜日

10大ニュース(その2)

6位:刺さった新体操

7位:お久しぶりねカザフスタン

8位:初ベラルーシ

9位:ドライブ
毎年何度かモスクワ近郊の観光スポットまでドライブに行くのですが、今年はクリン、ノービー・エルサレム、ボロジノに出かけました。
クリンにはあのチャイコフスキーの家があり、そこが今では博物館になっているのです。クラッシック音楽ファン、バレエファンなら見逃せないポイントだと思います。
巨大な像と写真を撮ってみた。

こちらはノービー・エルサレムの教会。

ボロジノ平原のこの地でナポレオン軍との激闘があったのです。

10位:世界一のアイスホッケー
ロシアが世界に誇るスポーツの一つがアイスホッケー。
オリンピックでは今一つ好成績を残せていませんが、2008、2009年の世界選手権では王者となっており、現在世界ランキング第1位の超強豪国なのです。
先日、チェコ・スウェーデン・フィンランドが参加した4カ国対抗戦がモスクワで開催され、それを観戦してきました。
いずれの国もランキング5位以内に入っているので、世界トップのプレーを生で見ることができたわけです。(ちなみにカナダが2位、アメリカが6位です)
正直なところアイスホッケーのルールも知らず、まじまじとテレビで見たこともなかったのですが、とても面白いスポーツだと思いました。
各選手のテクニックの差というのはよくわからなかったんですが、よくあれ程早くスムースに滑ることができるな、パックの扱いが超上手いな、などなど初歩的な部分から感動しました。
氷上の格闘技と言われるだけあって、お約束の殴り合いもあったし。

それから驚いたのが、イベントとしてしっかりエンターテインメントしていたってこと。
試合中にお客を盛り上げるアナウンスと映像がばんばん流れていたし、インターバルでの大音量の音楽や頭上大画面での広告放映はロシアのそれとは正直思えなかった。
こんな風にカメラで抜かれた人を無理矢理キスさせるあたり、アメリカそのもの。

サンプルなど配るスポンサー企業のプロモーション活動も盛んだったし、まさに一大イベントという雰囲気が随所に感じられました。
これまでサッカー、テニス、フィギュアなど観戦に行ってますが、集客は良くても全くと言っていい程娯楽性が感じられなかっただけに、素直にびっくり。
人気スポーツの代表戦は別格なんだと思いました。
こちらのお友達が毎週アイスホッケーをやっているので、今度見学に行ってみようかなぁと思い始めているところです。
さて、私は本日クリスマスにモスクワを発ってロンドンに来ております。
3日間観光した後、日本での充電休暇に入ります。(今回は婚活控えめ)
本年はみなさん大変お世話になりました。
モスクワ4年目に入る来年も引き続きよろしくお願いします。
では、良いお年を!

2010年12月12日日曜日

10大ニュース(その1)

今年も残すところあと僅か。
みなさんにとってはどんな一年だったでしょうか。
シモニフの2010年プライベート10大ニュースをここにご紹介しましょう。

1位:ついに行ったぞイスラエル

2位:AXLとSLUSHを目撃
今年はライブに明け暮れた一年でした。
最も好きなバンドを挙げるなら、GUNS N’ ROSESとなりますが、彼らが6月に来露。
オリジナルメンバーはボーカルのアクセルのみとなった今でも彼の歌声を是が非でも聞きたいと思うのがファンというもの。
当日は開場と同時にダッシュで乗り込み、スタンディングの前から2列目を確保!
しかし、そこから待つこと4時間・・・
ガンズの遅刻は有名ですが、この日もほんとにひどかった。(結局終演後、時刻は24時をまわってましたから。)
それでも、ライブが始まったら歌いまくりノリまくりで2時間。
名曲の数々を目の前で聞くことができて最高。 途中AXLと目が合ったし。
でも、ずっと立ちっぱなしだったから、最後だいぶ腰にきたね。(笑)

その1ヶ月後、元ガンズのスラッシュがソロとして来露。
ガンズの名曲も数曲プレーしてくれたのがなにより嬉しかった。
彼のねばっこいギターがガンズの特徴でもあったので、生で彼のレスポールを聞くことができ感無量でした。 今年は結局この2組だけでなく、以下のバンドを観賞。
SCORPIONS, Gary Moore, Yngwie Malmsteen, METALLICA, Ozzy Osbourne, BLIND GUARDIAN, SKID ROW, W.A.S.P.
合計10回のライブを観たことになります。
こんなにへヴィ・メタル漬けになるとは思っても見ませんでしたが、行ったら行ったで非常に楽しいので、今やモスクワ生活の重要な娯楽の一つとなっています。
日本のようにチケットが一日で売り切れる心配はないし、会場が大きなスタジアムでなくライブハウスだったらそれ程早く行って並ばなくてもステージの目の前を確保できるから、臨場感抜群ですごく楽しめる。
ここでは写真も自由に撮影できるし、なんならビデオも撮れちゃう勢いなので、モスクワはライブ天国と言えるんじゃないかな。
来年も存分に楽しみたいと思ってます。
ちなみに、モスクワメタル同好会も発足し、アングラな活動を続けておりますので、ご興味ある方はご一報を。(笑)

3位:ソフトボール優勝
毎年在モスクワ日本人がアツくなるソフトボール大会。
そこでわたくしが所属するチームが見事優勝。
全試合・全イニング出場したのですが、バッティングが全くダメであまり貢献できなかった。
でも、チームのみんなが本当に素晴らしい活躍。
優勝するに相応しい本当に良いチームでした。
チームの全員にJALのモスクワ→東京便で使えるビジネスクラスへのアップグレード券が景品としてプレゼントされたのですが、これには期限がありシモニフはその期限内にJAL便を利用することができなそうなのです。
何かと交換してくれないもんかなーJALさん。

4位:テニス大会優勝
先月ジャパンクラブのテニス大会が行われ、パートナーと組み合わせに恵まれた結果、No.1になることができました。過去2回は3戦のうち2勝1敗でしたが、今回は全勝することができ、失ったゲーム数も少なかったので優勝の栄誉を頂きました。
ま、シモニフのような分際でも一番になれてしまうのは、モスクワには強烈にテニスが上手な人がいないということなんですがね。

5位:ロシア3年目にして初のサンクトペテルブルク

ということで、後半は別途。
でも、10大ニュースって普通10位から発表か。(笑)

2010年12月1日水曜日

ロシアでフィギュアを観よう。

フィギュアスケートのGPシリーズロシア杯観戦は昨年に続いて2回目。
今回も男子の部はパスして、女子で出場した安藤美姫、鈴木明子の両日本人選手を応援しに行きました。
加えて、ロシア国籍を取得しロシア代表として出場しているペアの川口悠子も見てみたかった一人。

今回、何が良かったってとにかく席の位置が最高。
昨年と同じく最前列を確保したんですが、特に何も考えずに取った席が偶然にも選手の入場口近くで、滑走前の選手・コーチがほんとに目と鼻の先にいるポジションだったのです。
少し手を伸ばせば、選手にお触りできますよ、あれは。
これは鈴木明子の背中(笑)。背中にテーピングが見える奥の選手が安藤美姫。

こんな席が3,000円で買えるのだから、日本ではありえないと思います。
フィギュアスケートおたくならモスクワに来るべし。

まず女子ですが、なんと言っても前日の5位から逆転優勝した安藤美姫でしょう。
(演技前にコーチからアドバイスを受ける姿↓)
昨年も思ったことだけど、彼女の演技はほんとに素晴らしいね。
今回出場していた選手の中では一歩抜けていた印象があったし、真央ちゃんやキム・ヨナがいたとしても個人的には一番好きかも。 引きつけるものがあるね。
指先まできれいに表現できているし、体のバランスとか姿勢が多分いいのだと思う。
あと、日本でも有名なモロゾフコーチの気合の入り方といったらなかった。
写真の通りリンク脇からかぶりつきで演技を見守り、美姫ティーのジャンプが成功するたびにYes!と叫んで、終了後は大きくガッツポーズ。(笑)
ご丁寧に席の目の前でやってくれてるもんだから、目障りな程いちいち視界に入ってきて笑っちゃったけどね。

鈴木選手も頑張っていたし、大きなミスもなかったけど、美姫ティーと比較すると芸術性という意味でもうちょっとかなぁと。少し演技のスケールが小さくて存在感もあまり感じられなかったです。
見た目、いい人っぽかったけど。(鼻をかむ鈴木さん↓)

一方、ロシア人選手の活躍がいまひとつ。
スルツカヤ引退後、低迷期に突入してしまったようです。
ペアの方では川口悠子とアレクサンドル・スミルノフ組が見事に五輪の雪辱を果たして1位でフィニッシュ。

でも、川口さんはもともと日本人なわけだし、ロシア生まれロシア育ちのトップスケーターの登場が待たれます。

競技は異なりますが、今月アイスホッケーロシア代表の試合を見に行く予定なので、そこでロシア人選手の活躍が見れるかも。

2010年11月29日月曜日

Japan Day

11月20日はモスクワ在住日本人にとってはちょっと忙しい日になりました。

ジャパン・ポップ・カルチャー・フェスティバルという日本の若者文化を紹介するイベントが開催される日であると同時にフィギュアスケートロシア杯も行われ、さらに本田圭祐が所属するCSKAモスクワのホーム最終戦(しかも天敵のスパルタクモスクワ戦)ということでどれに行こうか迷った人も多いかも。

シモニフ的にはフィギュアでしたが、昼間にJ-Pop Fesの方にも行ける時間があったので、ぶらりと覗いてみました。
とりあえず、写真からいってみましょう。


ぐほっ! 如何でしょう。(笑)

まさにおたく祭り・・・
これ、日本大使館と一部の日本企業が主催しているイベントで、音楽・ファッション・アニメなどが紹介されていましたが、ちょっと方向が変じゃないっすかねぇ。
漫画、アニメ、ゲームは日本の強みとしてもっと育てて行くべきと思うのですが、紹介の仕方をもっと工夫して欲しいなぁというのが個人的な感想。普通の人が見たらただのおかしなおたくイベントだから、日本が変な国だと思われなきゃいいなと。集客を考慮するとその辺なかなか難しいのかな。

実はこのイベント、AKB48の選抜メンバーがわざわざ来露してライブを行うということでこちらの日本人からも注目を浴びていたんです。
写真集もたくさん売られてた。
一体どんなコ達なんだろうと興味があったんですが、残念ながらライブの時間がフィギュアスケートと重なっていたので断念。
ただ、詳しい方に聞いたところ、主力のメンバーはモスクワ入りしなかったそうな。
日本でも一部のメディアで報道されたようです↓
http://www.youtube.com/watch?v=DrnlFZMbtwY&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=Mrd4fvwmZtQ&NR=1

30分程でおたくイベントの会場にいるのが辛くなってきたので、夕方フィギュアスケートに移動しましたぁ・・・

余談ですが、うちの近くにこんな日本食レストランがあります。
変態寿司、、、

2010年11月21日日曜日

壁を見たか

11月6日、エルサレムからパレスチナ自治区のベツレヘムへ足を伸ばしてみることにしました。
パレスチナ自治区はヨルダン川西岸地区(West Bank)とガザ地区からなっていますが、ベツレヘムはWest Bankに属する町。
エルサレムから10キロ程度しか離れておらず、ツアープログラムに組み込まれることも多いこの町の見所は、イエスが生まれたとされる聖誕教会。
個人的にはそれを見に行くよりも、パレスチナの町や人々の様子を見たかったんです。

途中で国境というかチェックポイントを超える必要があり、行きはタクシーに乗って向かっていたら何のチェックもなくポイントを通過し、自治区に入ってしまった。
あれ、と思いながら後部座席から撮ったのがこれ。

携帯のローミングもパレスチナの会社に自動変更され、自治区内に入ったんだなと少し緊張。
ただ、その後すぐに別のタクシーに乗り換えさせられて中心部に向かった。
最初のタクシーはなぜか足早にイスラエルに引き返してしまった。
よくわからない。
ほんとはここまで入ってはいけなかったのかな。
帰りにボーダーの係員にお金をあげて引き返したりするんでしょうか。。。

とりあえず、聖誕教会に向かってみる。
エルサレムから来たと思われる団体旅行客でそこそこの賑わい。
地下の洞くつにあるこの☆印がイエスの生まれた場所。

教会を後にして町をぶらついていると、看板はどれもアラビア語のみでほとんどの女性はイスラムの衣装を着用している。

スークに毛が生えた程度のごみごみした商店街と行き交うパレスチナの人々の波がいい具合にミックスされたなんとも言えない、ザ・アラブという光景が広がっていて、人種のるつぼとなっているエルサレムとの違いを見て取れました。

さて、ベツレヘムからエルサレムに引き返そうと、帰りは直行のバスを利用。
のはずだったんですが、観光客は直行のバスに乗っちゃだめ、と運転手に言われてしまった。
チェックポイントまでタクシーで行ってから、ボーダーを超えてイスラエル側に入ったところでバスに乗れ、というのでしぶしぶその指示に従う。
同じようにバスで直接帰ろうとしていたオーストラリア人カップルとそこからしばらく行動を共にすることに。

カップルと一緒にタクシーで移動。
チェックポイントはいくつかあるようで、帰りはどうやら来た時とは別のポイントに向かっているようだ。
と、ぼーっと外を眺めていたら突然目の前にこいつが現れた。 壁だ。
そう、イスラエルがテロ防止を目的にパレスチナ自治区に建設している分離壁だ。
びっくりして、「うおー」と見た瞬間思わず口に出てしまった。
タクシーが壁沿いを走りながらチェックポイントに向かう。
イスラエルはこれを分離フェンスと言っていますが、これは紛れもなく壁。
この中にパレスチナ難民が暮らしている。
自分がこんな紛争地帯にいるのが少し信じられない感覚。
この旅で最も衝撃的な瞬間だったなぁ。

壁に隣接しているチェックポイントを超えて無事にイスラエルへ再入国。
その日のうちにエルサレムからテルアビブへ移動し、次の日モスクワへ帰還。(出国時かなりの尋問を受けたが)

ロシアを無視して書きまくっていますが、イスラム過激派とロシアの関係は我々住民には見逃せないし、イスラエル・パレスチナ問題は世界情勢を大きく左右する。
ある意味世界の中心であるエルサレム。
聖地と言われる場所を訪れておきながら、きな臭い危うさを自然と感じてしまう不思議な感覚を常に持って過ごしていました。
世界平和を祈っています、と猿でも言えるようなことを言うのが逆に恥ずかしくなる場所にいるなぁとも。
最後の夜にテルアビブを歩いていたら、「この先に爆弾らしきものがあるから、道を迂回しなさい」と警官に言われた。
まわりの人の様子を見ている限り、このような騒ぎはきっと日常茶飯事なんだと思う。
他国を旅する時以上に、「ここでしか味わえないもの」に出会えた実に貴重な旅となりました。

2010年11月14日日曜日

I am in Jerusalem.

エルサレムは三大宗教の聖地であり、それぞれにゆかりのある見どころが集結しています。
そんなエルサレムって一体どんなところなんだ? とノンビリーバー・シモニフも長年気になっていた不思議の聖都。
見所の多くは旧市街に集中していますが、その他にも色々と点在しているので全てをカバーするのは難しいと思う。
イスラエルと言えど、エルサレムにはユダヤ教徒だけでなく、アラブ教徒、キリスト教徒も生活しており、旧市街にはそれぞれの生活エリアが混在しています。
エルサレムを歩くとイスラエルがユダヤ人だけの国ではないということがわかる。
今回は旧市街のアラブ人地区に宿をとっていた為、そこはまさにアラブのスークに迷い込んだようなところ。
おまけに街は旅行者で溢れてる。
アジア系は少数派でしたが、欧州を中心に世界中から多くの民族がこの地に集結していました。
ツアー客もいればバックパッカーもいるし、家族連れもいれば一人旅行者も。四連休だけにロシア人はやっぱり多かったし。

旧市街はどこも道が狭く入り組んでいるので、迷路の中にいるようで行きたい場所になかなか思い通りに辿り着けない。
それでも迷いながら辿り着いたユダヤの聖地・嘆きの壁とイスラムの聖地・岩のドーム。ついに来たかーという心境になる。

西暦70年にローマによって破壊されたユダヤの神殿で唯一残った西の壁がこの嘆きの壁で英語名はWestern Wall。21mの壁は想像以上に高く堂々としていた。

その神殿の丘の中にイスラム教の聖地である岩のドームが建っているのだからなんとも複雑だけど、これが歴史。
嘆きの壁に沿って左に進むと建物の内部にも壁が続いているんです。
そこで大勢の正統派ユダヤ教徒が祈りを捧げていて、その姿がすごく印象に残った。

動画の通り、体を前後に揺らしながら何かを唱えてお祈りする様子が少し奇妙というか変わった光景で。おまけにあの格好だしね。今回の旅行で最も刺激のある場面の一つだったと思う。


キリスト教徒の聖地はイエスが十字架を背負って歩いた道「ヴィア・ドロローサ」と処刑されたゴルゴダの丘に建つ聖墳墓教会。
ヴィア・ドロローサは長い距離ではないし、はたしてどんな道なんだろうとイエスの最期の足跡を辿りました。
教会の近くはスークのような小道で土産屋やレストランなどが軒を連ねていますが、出発点の方は少し道も広くなり、人もまばらで落ち着いた雰囲気。道にはVIA DOLOROSA(悲しみの道)の文字が。
ガイドブックを見ると、実際にイエスがつまずいたポイントや母マリアと遭遇する場所など細かく解説されているので、それを読みながら進むと2000年前にタイムスリップしたような感覚を味わえるかも。
団体ツアー客も同じようにガイドに率いられて説明を受けながらその悲しみの道を歩いていましたが、果たしてキリスト教徒は一体どんな心境になるんだろう。

聖墳墓教会にはイエスの墓とされているものがあり、ものすごい行列ができていたので、中に入るのは断念。
ここがあのゴルゴダの丘かと思うと自然と口数も減って教会で一人佇んでしまう。

夕方、旧市街が見渡せるオリーブ山に登りました。
素晴らしい眺めを見ながらも、素直にきれいだなぁと感じられない何かがこのエルサレムにはある。
「約束の地」をめぐる争いの歴史を学ぶほど、少し身構えるというか単純に楽しむ為だけの観光をできないというか。
そこがむしろ魅力的だとも言えるので、このシモニフと同じように世界中から旅行者が集まってくるのだと思う。
丸二日間エルサレムで過ごして、旧市街を歩き倒しました。
中近東に行ったことのない人なら町の雰囲気を含めてかなり楽しめる場所ではないかと思います。
個人的にはかつて訪れた国々に近い部分を目の当たりにして、どこかなつかしさ感じていました。
ただ、複雑な世界であり、魅惑の世界であり、摩訶不思議な世界であるという出発前のイメージが今でもそのまま残っているような、そんな気がします。
またエルサレムに行きたい、と思う日がきっと来るんじゃないかな。
引き寄せられる何かがあるんだよね、ここは。

次の日、エルサレムからパレスチナへ。
さらに深い世界へ足を踏み入れました。

2010年11月6日土曜日

いざ、イスラエルへ

現在、ロシアの四連休を利用してイスラエルに来ています。
世界で最も危険な国の一つにわざわざ乗り込んだのは、エルサレムをこの目で一度見たかったから。
以前、中近東向けにビジネスをしていた時からずっと興味を持っていたもんで。
聖書にまつわる観光スポットが全土に広がり、死海リゾートにも魅力ありですが、今回は空の玄関テルアビブと聖地エルサレムのみに目的地を絞っています。

いつテロが起きてもおかしくないお国柄、早速モスクワの空港でのチェックインも一苦労。
写真の通り、チェックインカウンターの前にて係員が各乗客にプロフィールや渡航目的などを細かく質問するゾーンがあるのです。


日本人が珍しかったのか、担当の女性が全く無関係のことまで色々きいてきたもんだから、えらく時間が掛かってしまって。
「私、日本にすごく興味あるの。モスクワからの航空券いくらくらいかしら?」とか「(もちろん英語で会話したので)ロシア語は勉強してないの?日本語も難しいっていうからそれに比べたらラクじゃないの?」とかとか・・・さっさとリリースしろよ。
こんなこと30分以上やってましたから確実にこの日の乗客の中で一番長かったと思う。
もちろん、ちゃんと質問されるところもあるよ。
パスポートや労働許可証など一旦別室に持っていかれて、なにやら調べられてたし。
泊まるホテルの予約書や現地で読む本までチェックさせられた。
地球の歩き方見せたら「これ日本語ね。クールだわ。」とかまたどーでもいいことをぺらぺらと。。。
もっと怪しいやついっぱいるでしょと思ったが、最近、戦場カメラマンの渡部さんに似ているという説が急上昇中のシモニフ、そういう意味では自分で気づかないうちにかなり怪しい見た目になっているかもね。

ロシアとイスラエルの関係は非常に深く、ソ連崩壊後多くのユダヤ人がイスラエルに移住したと言いますが、今でもロシアにおける彼らの存在感は大きい。
また、テルアビブにはロシア人街のようなエリアもある模様。
調べてみて驚愕ものだったのが、モスクワ⇔テルアビブのフライトは1日になんと8~9便もあるという事実。
国内線でもありえない程の数。
ビジネスでそこまでの需要があるとは思えないのだけど、一般人の交流が盛んなんだろうか。。。

イスラエル入国時に注意すべきは、パスポートへのスタンプ。
ご存じの方も多いでしょうが、イスラエルのスタンプがあるとその後アラブ諸国に入国できないので、別紙での対応をパスポートコントロールでお願いする必要があるのです。
アラブの国への渡航予定はなしでしたが、万が一ということもあるので別対応をリクエスト。
理由をきかれたので「ドバイに行くかもしれないから」と普通に答えたら、あっさり納得してもらい、必要事項を記入した後スタンプ付で出てきたのがこれです。

なるほど。これを出国時に提出して終わりということだね。
しかし、イスラエルの出国は相当長時間の尋問が行われることであまりに有名。
出発時刻の3時間前に空港到着すべきだそうですが、なんとかモスクワ出国時よりも短くまとめてくださいよ。

テルアビブはビーチあり高層ビルありの都市で、あかぬけた雰囲気があるものの、欧米のそれとはどこか異なる。
街の建築、日差しや空気が違いを感じさせるし、加えてヘブライ語やアラビア語が出てくると自分が中近東にいることを強く実感する。

テルアビブを歩いていてやたらと軍服を着た若者を見かけたので、この国には兵役があることを思い出した。
男子だけでなく女子も兵役に服すという国民皆兵国家である為、女子の姿が特に印象深かったなぁ。
ショッピングモールでは石を投げれば誰かにぶつかるんじゃないかというくらい頻繁に彼らの姿を目にしたし、若者が大きなライフルを持って街をうろうろしている様はまさにイスラエルという光景だったと思う。

個人的にはテルアビブにあまり見るべきものがないと感じたので、2,3時間ぶらぶらした後、早々に聖地エルサレムに移動することにした。
さて、一体どんな世界が待っているのだろう・・・