2011年3月26日土曜日

Prague

早いもので気付けばロシア生活も3年を経過。
(全く決定ではないが)残り1年を切った今、日本にいてはなかなか気軽に行けないヨーロッパへ数多く旅行に行きたいと思ってます。

先日、ロシアの連休を利用してチェコへ。
プラハは噂通りいい町だった。
ヨーロッパの都会に来たなというのが最初の印象。
様々な時代の建築物が立ち並ぶとても歴史的な町ですが、建物はどれも比較的きれいなので歴史を感じさせるかと言うとそうでもないかと思った。でも建物の並び方、石畳の路地など全体の景観が良くてなんとも居心地の良さを感じる町です。
旧市街の塔からプラハ城を望む景色、プラハ城から町を見下ろす景色はどちらも素晴らしいの一言。

プラハをぷらぷら歩き土産屋を覗くとロシアの名産品マトリョーシカが大量に販売されている。いくつかの店舗でそのわけをきいてみたものの、あまりクリアな答えは返ってこなかった。最もまともと思われたのが「共産時代にソ連から広まってチェコにも根付いた」というもの。確かに歴史的にチェコではロシア語を話す人は今も多いようだ。でも、「チェコにはロシア人が多いから」とか「ビジネスとして儲かるからね」とかいうコメントもあり、どうやら現地人もよくわかっていない様子。。。

マリオネットを販売している店も多い。
チェコで人形劇が盛んなわけは何か。
日本人人形劇作家としてチェコで活躍する沢則行さんの言葉として地球の歩き方から引用すると「18~19世紀ハプスブルク家の支配を受けドイツ語が強制されていたが、人形劇ではチェコ語の使用が認められていた。人形劇はチェコ語を守りチェコ人としてのアイデンティティーを守ることと結び付き文化の重要な担い手の一つとして発展した。」というもの。
プラハのその雰囲気に乗せられて、国立マリオネット劇場に足を運んでみた。
「ドン・ジョバンニ」を観劇。事前にある程度ストーリーを把握しておいたので、言葉がわからずともまあOKだったね。2時間というのは少々長かったけど、チェコらしい体験だったなと勝手に自己満足。

プラハにはユダヤ人地区があります。
かつてはヨーロッパ最大のゲットーと言われた場所。
そこにある今も残されたシナゴーグのいくつかに足を運んでみた。
この画像はスペインシナゴーグとその前にあるユダヤ人作家カフカの像。
内部は写真撮影禁止だったが、とても美しい内装をしていた。
第二次大戦時にドイツの占領下となったチェコ。ナチスによってこのゲットーから多くのユダヤ人が強制収容所に送られたと言います。
ユダヤ人迫害の歴史を考えると、シナゴーグに入っても単にきれいだとか趣深いというだけではなくて、少し悲しい気分になってしまうね。
今回、チェコ旅行を選んだわけですが、当初はプラハに加えてポーランドのクラクフ&アウシュヴィッツを周ろうというアイデアも持っていた。あまりに駆け足の旅行になると疲れるので断念しましたが、人類の負の遺産と言われるアウシュビッツは今年機会を見つけて訪問したいなと思っとります。

結局プラハのみに3泊したので、お腹一杯。
なんでも教えてあげますよ。

2011年3月24日木曜日

悲しみを超えて

日本の大変な状況をテレビやインターネットを通じて確認しては胸を締め付けられる思いでこみあげるものがある。
実際に地震を経験しておらず、日本にさえおらず、現場の切迫した状況など雰囲気をつかめない立場としては、どこか申し訳ないとすら思ってしまう。
外地での生活はそれはそれで常にリスクを伴うが、今回の母国での悲劇はそれを超えている。
幸い自分の親族、友人では最悪の事態を免れているが、そういうことではなく日本国民として痛烈に感じている精神的ダメージの大きさは自分自身これまでに経験したことがないくらいのものだ。

明るいニュースというと、日本での報道にもあるように、震災直後の日本国民の行動・精神が海外から称賛されていること。
先週こちらに駐在されているNHKの方に伺ったところ、ロシアでも同様の報道がなされているそうだ。以前も触れた通り、海外生活をしていると自分の日本人としてのアイデンティティーを自然と意識するもので、日本ではなかなか抱くことのない愛国心も強くなる。
CNNやBBCという海外の主要メディアでそうした報道を見ると、戦後最大と言われる災害でも強く生きる自国民を誇りに感じ、またも目頭が熱くなる。

震災直後からこちらでは多くのロシア人から励ましの言葉をもらっています。
ロシア人というのは、無表情で笑わず一見すると冷酷に思えるものの、家族や仲間に対してはとてもウェットな民族。受け取るメッセージは非常に有り難いものばかりだ。
ご存じの通り、ロシアはソ連時代にあのチェルノブイリを経験しています。
ソ連政府は事件発生を隠し、異常な放射能の発生にスウェーデンの原発が気付いたことで、やむなく事実を公表したというのは有名な話。住民の避難措置も遅れた為被害が拡大し、多くの人々が被曝。爆発の後処理の為軍人などの清掃員が送られるも、危険性を全く知らされていなかったと言います。
福島の原発についてはチェルノブイリの二の舞になりかねないという心配な声も当然あり、ロシアの特に極東地区では大きな反応があるようです。放射能量の計測を頻繁に行っていることや、ヨウ素を含む薬剤や赤ワイン・ワカメなどの食材の売り上げが急増していることなどの変化が見られる様子。ロシア政府は当然と言えば当然かもしれないが、日本からロシアに入国する人、貨物、船などに放射能検査を開始している。一方で、救助隊の派遣、液化天然ガスの供給増加、大手銀行やロシア正教会からの募金などの支援も表明してくれている。

いま日本では、政府批判、東電への不満、物資不足、色々あるようです。
状況が当初の予想以上に悪いとわかると最近では盗難や治安悪化が懸念される事態にもなっているとのこと。
生きるか死ぬかという状況だけに、ぼくは誰も責められないような気がしてしまう。
余震や原発の不安は今もくすぶっており、経済では株価の下落や円高が日本だけでなく世界を揺さぶり影響は地球規模に及んでいる。
甚大な被害に見舞われ精神的にも深く傷ついてしまった日本。
復興にはかなりの時間を要するだろうが、新たな日本を作るべく前向きに考えるしかないのだと思う。国民が一つになりこれまで以上に強く誇るべき新国家を創造する為にゼロからスタートできる良い機会だと捉えたい。

3年前に日本を発つ時、友人から日本国旗をもらったのを思い出して、たんすの奥から引っ張り出してきた。
しばらく家に掲げようと思う。

2011年3月11日金曜日

Swedish

先日スウェーデンに行く機会がありました。
初の北欧上陸でしたが、北極圏まで約100kmの山奥にずっとこもっていたので、都市の様子は全く把握できず。
これはストックホルムのアーランダー空港内の様子。ここが最も華やかだった。北欧らしくシンプルできれいなデザインです。

空港やホテルのスタッフ、タクシードライバーと接するのみでしたが、なんとなくスウェーデン人のホスピタリティーと洗練さを感じ取れた気はします。
人々は全般的にすごく落ち着いていて優しさを感じさせる対応をするので、かなり好印象を持ちました。
興味が湧いてきたので、スウェーデン人の特徴を調べてみたらキーワードとして「控えめ」「無口」「時間に正確」などが挙がってきた。
もちろん人によるでしょうが、なんとなく日本人と共通点の多い民族なのかもしれない。
居心地の良さはそれだったのか、と妙に納得。

さて、今回郊外にいたからこそ体験できたものの一つがスノーモービル。
予想以上に運転するのが難しくて、最初のうちは苦戦。
慣れてくると周りの自然を楽しみながら、ある程度思い通りに走行できるようになる。
真っ白の雪上を風を切って駆け抜けるのは本当に気分爽快。 (この動画は片手で運転しながら撮影したので結構危なかった。笑)

気が付けばスピードも80キロまで出ていたが、さすがにそれ以上は少し怖くなってくる。
雪国だからこそ味わえる楽しい娯楽です。
普段しない動きをしたので、翌日軽く筋肉痛きたけど。。。

もうひとつはオーロラ。
夜8時過ぎくらいだったかな。
突然呼び出されて外に出ると、暗黒の空にうっすらと浮かぶ何かが。
見たくても見れないものだし、この冬はなかなかオーロラが現れなかったそうなので、本当に運が良かったのだと思う。
まったく予期していなかったので、余計に嬉しい。
実際は写真のようにきれいな緑色には見えず、一見白っぽいものが空に浮いているだけだったので、なんだこんなもんか、という印象もありました。
でも、よくよく注視するとカーテン状の物体が3Dで空全体に広がっているのがわかる。
「おー」と思わず唸ってしまう幻想的なものでした。
それにしても、一緒にいた人達と何枚も写真を撮ったのにまともに見れるものと言ったらこれくらいなんだよ。残念だぁ。

これを見てしまうともっと凄いオーロラを見てみたい、と思ってしまうのですが、来冬チャンスあればロシアのムールマンスクかフィンランドのロヴァニエミに行ってみることにしよう。

2011年3月10日木曜日

カナエワ

続けてロシア美女特集いきましょう。

昨年すっかり新体操ファンになってしまったシモニフ、先月開催された新体操ロシアグランプリを観戦。
今回は団体戦ではなく個人戦のみを観戦。
注目していたのはロシア代表のエフゲニア・カワエワ
弱冠18歳にして北京五輪で金メダルを獲得した現役No.1選手。

会場は昨年の世界選手権と比べるとかなり小さなところ。
遠くの席でしたが充分満足できる距離で観戦することができました。

今大会はボール、リボン、フープ、クラブの4種目それぞれで順位を決める方式で個人総合成績は争わないようでした。
大会の位置づけはよくわかりませんが、なんとなくヨーロッパの有名選手は参戦しておらず、CIS諸国を中心にその他の国からもちらほらと選手が集結していた印象です。観戦したのは個人戦決勝(各種目上位8人)だった為、前日の予選で多くは敗退した模様。日本からも二人の選手が出場していたそうですが、残念ながら姿を確認できませんでした。

で、カナエワですが、そういう目で見ていたからかもしれないけど、本当に美しい。
技のレベルについては全くわかりませんが、魅せるという意味ではちょっと違いますね。
特にリボンの演技は他選手を寄せ付けない芸術性があった。多分得意なんだと思う。
結局4種目全てでトップ。
モスクワの観客も大喝采を送っていました。

そしてこのカナエワちゃんですが、09年にJapan Premium Projectのアンバサダーになったという一面も持っています。日露文化交流を目的とした当プロジェクトはホームページもなくなっているようなのでもはや存在していないかもしれませんが、とにかく日本とも関わりの深い彼女。
カナエワ日本滞在記」なるブログもある。

会場には家族連れが多いなか、アジア男性3人で観戦に行った我々は相当怪しい存在だったと思います。全員独身というのがまた痛い。しかもその中でシモニフが最も若いときてる。。。
ま、それはそれとして、我々も含め会場の誰もがカナエワファンになってしまったわけですが、まだ20歳、ロンドン五輪でも連続金メダルを狙ってほしい。(歳が一回り以上違うのか・・・)

ちなみに観客席に日本の選手団がいたので、背後に近付いて写真を撮っておきました。
んーこれまた痛い。