2008年6月27日金曜日

さらっとVladimir

ガイーをパスして向かったウラジーミル。
ウラジーミルはスーズダリから30kmくらいの距離にあって、モスクワへの帰り道にちょっと寄れる感じのところです。
ウラジーミル大公国の首府として栄えた都市。
ウラジーミル大公国というのはルーシの公国の一つ。
ルーシというのはキエフ・ルーシとも言い、日本語ではキエフ大公国と訳されますが、今のウクライナの首都キエフを中心とした国家でロシア・ベラルーシ・ウクライナの祖とされています。
このルーシのギリシャ語読みが「ロシア」にあたるんですよ。
キエフ・ルーシは882年に建国され、1240年頃モンゴルに滅ぼされますが、ウラジーミル大公国はその後ロシア帝国の前身モスクワ大公国へと発展します。

スーズダリは町そのものが昔のロシア的雰囲気を醸し出してる観光ポイントだけど、ウラジーミルの方は普通の町でその中の一部に教会や公園などの見所があるって感じです。
右の写真はウスペンスキー聖堂と言って、町で一番存在感のある建物でした。
この教会のすぐ後ろには見晴らしの良い展望台があって、そこから見える景色はいいね。
何がいいって季節がいい!天気がいい!
森や野原の緑が鮮やかで見ていてすごく気持ちがいいです。
まり時間がなかったからゆっくり見れなかったけど、モスクワ帰りに寄り道するには充分満足できる場所でした。

ということで、いろんな意味で充実していた日帰り旅行だったわけですが、今度は黄金の環でも別の都市に1泊くらいかけて行きたいかな。
日帰りだとお酒飲めないし、全体的にもうちょいゆっくり旅を楽しめる方がいいかなと思うからね。

ところで、ロシア、EURO勝っちゃってますね。
もうちょいでスペイン戦始まります。
シモーニフの愛するイタリア亡き後、どうせならロシア対ドイツが見たいな。

も一つところで、只今わたしく帰国中ですが、ほんとに日本はメシがうまいっすね。
ここぞとばかりにベタに寿司とかラーメンとか食いまくってます。
海外生活をして初めて気付く和食の素晴らしさ。
まじめに感動です。

2008年6月23日月曜日

ガイーとの対決

ちょっとあんちゃん、お待ち。
と言って、ウラジーミルへ向かおうとするシモニフを呼び止めたのが、あの超悪名高いガイー(交通警察)でした。
ガイーの話を言い出せばキリがないくらい、あいつらはどうしようもなくタチの悪いやつらなんです。
こっちが何も悪くなくても、例えば、免許や書類に不備があるから違反とされたり、アルコール検査を操作して飲酒運転にされたり、とかとか。
あることないこと言っていちゃもんをつけ、最終的に何がしたいかというと、金が欲しいんです。
「お前は違反したけど、おれにちょっとお金くれれば許してあげるよ」ということです。
彼らは実際の給料以外に一般市民からせしめた小遣いで生活していると。
残念ながらロシアではこのようなガイーのレベルから官僚のトップまで賄賂などの汚職が根付いてしまっているのです。
ただ最近は正式なペナルティーを受けることも増えてきているようです。

モスクワを運転していると至る所でこのガイーを目にすることができます。
道路にパトカーを止めて警棒をぶらぶらさせながら獲物を狙ってます。
先輩方からは、①ガイーと目を合わせない②なるべく道路の中央車線を走る、のが基本と言われてるので、それを実践してます。
だから、これまでガイーとは縁がなかったんだけど…

来たかぁ~、と思いつつ初対決開始。
道の横にある標識を指差しながら、ガイーの言っていることを推察するに、どうやら「ここは駐車禁止だ」と言っている模様。
でもよくわからないから、かろうじて覚えていた「ロシア語話せません」というロシア語を言ったみたら、「話せるじゃねぇか」って逆にツッコミ入れてきやがって。
うるせーよ。
とりあえず、文句は言わずI don’t understand.とか連発して、日本人観光客らしく振舞っていると、道端じゃなんだからということでパトカーに乗せられて色々と尋問が始まりました。
何言ってる全然意味わからないから、首ひねったり、英語で適当にしゃべったり、意味もなくとりあえず笑ってみたり。
ガイー2人いたんだけど幸運にも両方いい奴らだったんです。
で、こっちが基本ビッグスマイルで丁寧に対応してたら、結局「わかった。もう行っていいよ。ここには車停めるなよ。」ってことになって正式なペナルティーも賄賂もなく釈放。
ラッキー♪

ロシアでは駐車違反なんて誰でもどこでもやってるから、今回のシモニフも結構あっさり見逃してもらえたと思うんだけど、さすがにスピード違反とか曲がっちゃいけないところを曲がったりとか、その種の違反だといくらロシア語のわからない笑顔の日本人でも違反切符を切られるのが普通みたいです。
一昔前に比べると最近のガイーはだいぶまともになってきていて、賄賂を要求されることが減っているらしい。
いいことですね。
プーチンは大統領時代から不正撲滅を掲げていたし、首相としてもこれからどんどんやって欲しい。
いやー疲れた。
ようやくウラジーミルへ向かえるわ。

2008年6月16日月曜日

黄金の環

モスクワの北東部にある数々の古都群、これらを“黄金の環”といいます。
なんで黄金の環・Golden Ringと呼ぶのか。
よくわからんっす。
それぞれの都市が環状に連なると言われているけど、どう見てもそれは無理があるし。

ま、名の由来は置いといて、週末この黄金の環に含まれる「ウラジーミル」と「スーズダリ」というところに行ってきました。地図上で赤で囲んだところです。
こっちの日本人の人に付き合ってもらって合計3人で。
片道約200kmだからAccordちゃんで順調にとばせば2時間くらいで到着できるだろうな、と思ってたら甘かったね。
日本のような高速道路じゃなくて、普通の道路にちょっと毛が生えたような道だったから予想以上に時間食っちゃって。
しかも、朝から雨が降ってて、時間が経つにつれて激しくなっていったもんだから、結局3時間半くらいかかって、まずスーズダリへ。

スーズダリに着く頃になると我々を歓迎するかのように天気も良くなってきて、昼飯を食べてレストランから出てきたら雨も止んで日が射してきました。
さすが晴れ男シモニフついてるぜ。
この町に入ると「おっ!?」と思わず言ってしまうくらい、急に雰囲気がガラっと変わるんだ。
昔のロシアの町並みってこんな感じだったのかな、と思わせるいい感じの田舎町。
かつてロシア正教総主教庁が置かれていたとのことで、今でも古い教会がかなりの数見られます。
草原と小川と教会が絶妙にマッチしていてすごく落ち着けちゃいます。
普段モスクワみたいに緊張感のあるとこにいると余計にね。
4連休ということもあって、旅行者多かったです。
日本人のおじちゃんおばちゃん旅行者集団も発見したしね。
こんなところにも来るんだね。モスクワだけだと2日くらいで十分だからやっぱりこの辺まで足を伸ばすってことか。

ここにはクレムリンがあって、写真はその中にあるラジヂェストヴェンスキー聖堂。
これは13世紀に建てられた白石建築でスーズダリに現存する最も古い建築物です。
実は、ウラジーミルとスーズダリの聖堂建築群は、ちゃっかり世界遺産にも登録されてるんです。
うおー!やっぱりさすが世界遺産だなぁ、という感じでは残念ながらないので、聞いたときはほんとかよと疑ってしまったけど、ほんとでした。
見た目の凄さとかは関係ないってことですね。

スーズダリのお土産で有名なのが、写真の「ミョードヴハ」という蜂蜜入りのお酒。
ビールの中に蜂蜜を混ぜあわせたような味で、これそこそこうまいです。
この酒が露店で売ってたからみんなで買おうということになって、車を道に停めて買いに行きました。
アルコール度数が色々あるんだけど、写真のものは7.8~8.3%となってます。
一本115ルーブル(≒500円)でした。1ℓ。
どうやらモスクワでも一部のスーパーで買えるんだって。

ということで、観光もしたしお土産も買ったし、いい空気を一杯吸ってリフレッシュできたところで、そろそろウラジーミルへ移動するか。
と思って車に乗り込もうとした時、シモニフの背後に黒い影が…

2008年6月12日木曜日

今が一番寒い

今日6月12日はロシアの休日。
1990年6月12日、ロシア連邦として国家主権宣言が採択されたこの日を祝してます。ソ連からの独立記念日とも言ったりしてます。
この日のロシア語をそのまま訳すとシンプルに「ロシアの日」になります。(笑)
ついでに明日の13日も休日で、土日をあわせてロシアは4連休なんです。
その代わり、先週は土曜日が出勤日だったけどね。
今日のこの日を祝した看板やポスターを先月の戦勝記念日ほどではないけれど、ちょいちょい見かけます。
昔おれらが小学生くらいの頃は日本でも祝日になると国旗を家の玄関に掲げてる光景をよく見たもんだけどもうほとんどないよね。
こっちはロシア国旗をえらくよく見ます。

こんなにおめでたい時になんだけど、シモニフ邸では今お湯が出なくて全くめでたくありません…
6月10日から30日まで一時的にマンション全体でお湯ストップ!
期間は場所によって異なると思うけど、これ毎年恒例なんです。
なんでも、冬に備えてボイラーの点検をするからなんだとか。
もっといいボイラー買えよ。
少なくとももっと夏場に点検やれよ。
何がつらいってやっぱりシャワーが普通にすんごくつらいです。
滝に打たれる修行僧状態。

この対策として写真の家庭用ボイラーが備え付けてあってお湯が出せるはずなんだけど、使い方がよくわからなくて、あーだこーだと色々ボイラーと格闘した努力もむなしく全然お湯が出せず死亡。
普通のアパートはこんなボイラーも付いてなんだよ。
実はこのシモニフ、月末日本に一時帰国する予定なので、あと10日くらい我慢すればいいんだけど、水がほんとに冷たくてもう嫌だって感じです。
多少の変化球なら笑って済ませられるけど、これはキツいわぁ。
毎日シャワー浴びながらその場で本気ダッシュして体温めてるもん。
かなりバカですが、寒くて死にそうだから仕方ありません。
ほんと風邪ひきそうです。

ところで、水野晴郎さんが亡くなったそうですね。
「シベリア超特急」みんなで見て故人の冥福を祈りましょう。
合掌。

2008年6月1日日曜日

両眼1.5

この前、空港に人を迎えに行っていて、到着便の電光掲示板を遠くから見つめながらふと思いました。
んー、よく見えるようになったなぁ~、と。
実はこのシモニフ、モスクワに来る前にレーシックの手術を受けてきたんです。

ずっと会社にいる日は基本的にメガネ、飲み会(≒合コン)がある時は夕方にワンデー・アキュビューを装着する、という生活をここ何年も続けていたシモニフですが、海外でいちいちコンタクトもないだろうと、モスクワ行きを機に思い切ってオペ、しました。

12月12日に渡露が決まって、速攻で準備に入り、確か20日くらいには手術を終えてたと思います。
検査を受けたり、1週間コンタクトをつけちゃいけない、とかあるんだけど、その時たまたまタイミングが良くてとんとん拍子に進めることができたんです。
手術自体はほんの5分くらいだったかな。
午前中に手術をして午後には仕事してたもんね。
始めは見え方もややぼやけていて、痛さもあるからさすがに涙が出てきたりするんだけど、夕方くらいになると徐々に落ち着いてきます。
5ヶ月経過した今、目が痛くなることも視力が落ちることもなく問題なく生活しています。

レーシックとは角膜をレーザーで削って、合わなくなっていた目のピントを合わせ近視を矯正するものですが、視力が極端に悪い人は削る量が多くて手術できない場合もあるし、もともと角膜の薄い人はたとえ視力がそこまで悪くなくてもレーシック不可なんです。
シモニフは検査の結果特に問題なく、「2回できるよ」と言われたくらいです。
今はネットで色々調べたり、体験者に話を聞いて情報入手できると思うから、ほんとに興味がある人は本腰を入れてチェックしてみるのもいいかもしれないね。
個人的には今のところ、やって良かったな、という心境です。
手術前は両眼共に約0.1だった視力が今はタイトル通り1.5です。

このレーシック、最近は一般人もよくやっているようだけど、実はこれロシア発だってこと知ってました?
1969年にロシアのフィヨドロフ博士がRK(放射状角膜切開術)という方式で動物実験に成功し、臨床実験を終えた1974年に医療技術として確立したそうです。
これは角膜の表面に、中心部から放射状に数本の切開を加えて角膜の屈折力を弱め調整する方法で、今のレーシックのようにレーザーを使うものではないから、正確に言えばちょっと違いますが、角膜をいじって近視矯正手術するという意味では先駆けです。
フィヨドロフ博士がこのRKを編み出したもともとのきっかけはある少年の交通事故だったそうです。
少年がある日交通事故に遭い、その時かけていたメガネが割れて、飛び散った破片が彼の角膜を傷つけてしまったんです。
少年はガラスの破片を取り除き3日間ずっと包帯を巻いた状態で過ごします。
その後包帯をはずしてみると、なんと0.1くらいだった視力がなんでもかんでも見えるほど回復していたんだって。
それから研究が重ねられて今のレーシックまで行き着いたわけですね。

ロシアの空港はイメージそのものって感じですごく薄暗いんだけど、こないだもレーシックのおかげで良く見えたよ。
お目当ての便の到着予定を知らせる表示がOn timeとなっていたのに、その時刻を過ぎても表示が全く変わらなくて、まだかなぁ~と思って待っていたら、どうやらやっと到着したらしく、On timeに変わって現れた表示がLoaded。
なんのことやらと思って、近づきながらよくよくその表示を確認してみるとLandedでした。
全然見えてねーじゃねーかよ。(爆)