2009年5月25日月曜日

トルストイの故郷へ

5月最初の週末、ヤースナヤ・ポリャーナという町へドライブに出かけました。

モスクワ周辺には日帰りもしくは1泊で行けるドライブコースがいくつかあって、緑が映えるこの季節はドライブに最適。

モスクワから約200km南下したあたりに位置するこの町はロシアを代表する小説家トルストイの故郷です。

トルストイが住んでいた屋敷とその周辺の森林散歩道。

ヤースナヤ・ポリャーナ=その一帯、と思っていいでしょう。

他には何も無いっす。

屋敷は博物館になっていて、彼が住んでいた当時の様子が再現されているそうです。
行きの渋滞が激しく現地到着が夕方であった為、今回は時間切れで博物館には入場できず。
残念。

「戦争と平和」「アンナ・カレーリナ」などの彼の名作のほとんどはこの屋敷で書かれたそうで、ロシア人にとっては人気の旅行スポットになっているんです。
わたくし彼の作品を何も読んだことがありましぇんので、今度読もうかしら。
でも、ドストエフスキーの方が興味あるんだよなぁ。

この写真はトルストイのお墓。
ロシア正教会から破門されていた彼の墓は十字架もなく、花と草だけの質素なものでしたが、逆にそれがなんとも言えない雰囲気を醸し出していて印象的でした。

ヤースナヤ・ポリャーナへの道すがらトゥーラという町を経由しました。

そこにはクレムリンがあり、写真はその中にある永眠大聖堂です。

特筆すべきことのないクレムリンでしたが、売店でトゥーラ名物・プリャーニキをゲット。

ロシアの代表的なお菓子である、プリャーニキはここトゥーラの名産品です。
小麦粉、砂糖、はちみつのみで作られる単純なものですが、中にはジャムが入っているものがあったり、チョコレートがかかってたり、形も円、四角、動物をかたどったものなど様々。
表面は少し硬いですが、中は湿り気もあって手で簡単に分けられます。

モスクワでもスーパーで普通に買えますが、今まで食べたことがありませんでした。

初プリャーニキの感想を一言でいうと、素朴な味わい。
昔どこかで口にしたことのあるような、なつかしい味で、たまに食べるぶんにはきっとおいしく感じられるはず。

家の近くのケーキ屋を何の気なしに訪れた時、ふとマトリョーの形をしたプリャーニキを発見。
次回、日本帰国時のお土産はこれかな。

2009年5月10日日曜日

戦勝記念日 2009

5月9日
ロシアの戦勝記念日に誕生日を迎えるというのはどうなんでしょう。

良いのは、数週間前から看板やポスターなどが町を埋め尽くすので、自分の誕生日を国中が祝ってくれていると嬉しい勘違いができること。(笑)
1週間前、赤の広場に立ち寄った際にも看板、横断幕などが大きくセットされていたし、トベルスカヤ通りなどの目抜き通りや大きな公園でも同様。

逆に悪いのは折角の誕生日なのに町を出歩きにくいこと。
ナショナリスト達が変に盛り上がり、運悪く騒ぎに巻き込まれれば誕生日に暴行されて死亡・・・となりかねないから。
誕生日に殺されては死んでも死にきれんね。

この日は毎年戦勝記念の式典が行われますが、昨年復活した軍事パレードが今年も引き続き行われました。
昨年の盛り上がりに比べると今年は幾分落ち着いていた気がしますが、本番数日前には大通りを封鎖しての入念なリハーサルが行われていたようです。
そこにたまたま出くわした知り合いから写真を入手。

こんな戦車の行列から

こんな大砲、

こんなミサイルを積んだものまで、軍事マニアが泣いて喜ぶ強烈な光景。


こんなパレード意味ないからやめちまえと思うけど。
ロシアのことだからしばらく続けるんだろうな。

さて誕生日の昼間、自分へのプレゼントとして自転車を買いに出かけました。
一年のうち半分は乗ることができない気候条件ですが、夏のモスクワをもっとエンジョイしたい!との思いから購入を決意。
東京で乗っていたLOUIS GARNEAUが欲しかったのだけど、こちらでは日本でメジャーなブランドに全くお目にかかれず。
わけのわからないブランドながらSHIMANOのギアであることと価格がリーズナブルであることを基準に車種を選定。
カギ・ライトなど全込みで15,000ルーブル(≒45,000円)に抑えました。

夕方、早速その自転車を駆り先輩の家に向かいました。
これ、昨年と全く同じ誕生日の過ごし方。
変化・成長の無い1年だったということですかね。。。

しかし、奥さんの心のこもった手料理に涙。
見よ、ロシア人直伝のロシア料理、ジュリエン。

さぶちゃんも真っ青のち~らし~。

シメはチーズケーキだ!

そして、毎年22時に一斉に打ち上げられる恒例の花火でロシアから大祝福されたシモニフでした。
来年は何をしてるんかなぁ。

2009年5月2日土曜日

ダーチャでバーニャ

1ヶ月以上前の話。
まだまだ雪が降り積もる冬のある週末、ロシア人のダーチャを訪れました。

「ダーチャ」というのは、郊外の別荘のことです。
別荘と言うと聞こえはいいですが、実際は単なる掘立小屋のようなものからしっかりと作り込まれたコテージのようなものまで様々。

写真のダーチャが今回訪問したものです。
暖房や水道、その他インフラも問題なく、作りもしっかりとしていたので、かなりレベルの高いダーチャでした。

社会主義時代に国から土地の区画を貸与されたのがダーチャのもともとの始まりなので、庶民にも広く普及しており、日本のようにお金持ちに限られたものではありません。

ダーチャには菜園があり、春から秋にかけてここで食物を育てるのが一般的と言われています。
かつてソ連崩壊時の混乱期に食糧が不足していた時も、このダーチャで栽培した野菜を食べ自給自足の生活を送ることができた為、大きな混乱も起きなかったそうです。

春を迎えて暖かくなってきたモスクワ、土曜の朝には郊外へ向かう多数の車によってダーチャ渋滞が発生するんですよ。
平日は町で働き、週末はダーチャで畑仕事、というのが今でも多くのロシア人の生活スタイルであるようです。
ただし、最近はその必要もない為か、昔のように野菜作りに精を出す向きは減っており、息苦しい都会のアパート暮らしから逃れ、純粋にリフレッシュ目的にダーチャへ行く人が多いんだそうです。

また、ダーチャにはバーニャを有しているものが少なくありません。

バーニャ???

なんのことかと言うと、
ロシア式サウナ、のことなんです。

日本で一般的はフィンランド式サウナと違い、室温は低めであるが湿度が高いという特徴があります。
とは言え、実際サウナに入って温度計を確認したら、100℃まで到達していたんだけどなぁ・・・

写真が今回のバーニャ。
サウナ満喫中の写真は、ドアを開けた瞬間に蒸気が迫ってきてカメラのレンズが曇ってしまったので残念ながら撮影不可でした。

定番のサウナの楽しみ方。
まず、室内で仲間としゃべりながら汗を流し、充分温まったら、裸のまま外へ飛び出し、雪の中へダーイブ!

体が冷めたらまたサウナに戻り → 温まり → 裸でDIVE!
と、これを繰り返すこと数回。
温冷浴で血行促進ってわけです。

いや、ただ温まるだけではもったいない、というあなた。
「ヴェーニク」のマッサージはいかが?

ヴェーニクというのは、白樺などの木の葉がついた枝を束ねたものです。
これで体をビシバシぶっ叩いて血行促進、マッサージ効果と木の葉の薬用効果もあり心身共に生き返るんだ、とはロシア人談。

写真が今回使用したもの。
もの凄く痛いものかと思っていたのに、実際はかなりソフトタッチで予想外。
熱いお湯に浸されて葉っぱがとても柔らかくなっていたので、逆にもう少しキツくてもいいんじゃないの?というのが個人的な感想だね。

そんなこんなで、2時間以上も費やしてバーニャを堪能。
男も女もそろってバーニャに入り、あれやこれやと世間話や身の上話で盛り上がりました。
これぞまさに裸の付き合い、だね。 (水着着てるけど)

バーニャ後は主人の特製ロシア料理をたらふく食わされると同時に、やっぱりあれなのか?
出るのか?
出ちゃったぁ~
状態のウォッカでトースト。

健康上の理由で酒が飲めないというロシア人に対して、日本人だけがひたすらウォッカを飲まされるという最悪の状況ながら、この日は幸運にもほろ酔いで終了。
一泊して次の日、晴れやかな気分でダーチャをあとにしました。

ダーチャ、バーニャ、ウォッカ(またかよ)。
ロシアの本質を体験した貴重な一日でございました。