2009年5月2日土曜日

ダーチャでバーニャ

1ヶ月以上前の話。
まだまだ雪が降り積もる冬のある週末、ロシア人のダーチャを訪れました。

「ダーチャ」というのは、郊外の別荘のことです。
別荘と言うと聞こえはいいですが、実際は単なる掘立小屋のようなものからしっかりと作り込まれたコテージのようなものまで様々。

写真のダーチャが今回訪問したものです。
暖房や水道、その他インフラも問題なく、作りもしっかりとしていたので、かなりレベルの高いダーチャでした。

社会主義時代に国から土地の区画を貸与されたのがダーチャのもともとの始まりなので、庶民にも広く普及しており、日本のようにお金持ちに限られたものではありません。

ダーチャには菜園があり、春から秋にかけてここで食物を育てるのが一般的と言われています。
かつてソ連崩壊時の混乱期に食糧が不足していた時も、このダーチャで栽培した野菜を食べ自給自足の生活を送ることができた為、大きな混乱も起きなかったそうです。

春を迎えて暖かくなってきたモスクワ、土曜の朝には郊外へ向かう多数の車によってダーチャ渋滞が発生するんですよ。
平日は町で働き、週末はダーチャで畑仕事、というのが今でも多くのロシア人の生活スタイルであるようです。
ただし、最近はその必要もない為か、昔のように野菜作りに精を出す向きは減っており、息苦しい都会のアパート暮らしから逃れ、純粋にリフレッシュ目的にダーチャへ行く人が多いんだそうです。

また、ダーチャにはバーニャを有しているものが少なくありません。

バーニャ???

なんのことかと言うと、
ロシア式サウナ、のことなんです。

日本で一般的はフィンランド式サウナと違い、室温は低めであるが湿度が高いという特徴があります。
とは言え、実際サウナに入って温度計を確認したら、100℃まで到達していたんだけどなぁ・・・

写真が今回のバーニャ。
サウナ満喫中の写真は、ドアを開けた瞬間に蒸気が迫ってきてカメラのレンズが曇ってしまったので残念ながら撮影不可でした。

定番のサウナの楽しみ方。
まず、室内で仲間としゃべりながら汗を流し、充分温まったら、裸のまま外へ飛び出し、雪の中へダーイブ!

体が冷めたらまたサウナに戻り → 温まり → 裸でDIVE!
と、これを繰り返すこと数回。
温冷浴で血行促進ってわけです。

いや、ただ温まるだけではもったいない、というあなた。
「ヴェーニク」のマッサージはいかが?

ヴェーニクというのは、白樺などの木の葉がついた枝を束ねたものです。
これで体をビシバシぶっ叩いて血行促進、マッサージ効果と木の葉の薬用効果もあり心身共に生き返るんだ、とはロシア人談。

写真が今回使用したもの。
もの凄く痛いものかと思っていたのに、実際はかなりソフトタッチで予想外。
熱いお湯に浸されて葉っぱがとても柔らかくなっていたので、逆にもう少しキツくてもいいんじゃないの?というのが個人的な感想だね。

そんなこんなで、2時間以上も費やしてバーニャを堪能。
男も女もそろってバーニャに入り、あれやこれやと世間話や身の上話で盛り上がりました。
これぞまさに裸の付き合い、だね。 (水着着てるけど)

バーニャ後は主人の特製ロシア料理をたらふく食わされると同時に、やっぱりあれなのか?
出るのか?
出ちゃったぁ~
状態のウォッカでトースト。

健康上の理由で酒が飲めないというロシア人に対して、日本人だけがひたすらウォッカを飲まされるという最悪の状況ながら、この日は幸運にもほろ酔いで終了。
一泊して次の日、晴れやかな気分でダーチャをあとにしました。

ダーチャ、バーニャ、ウォッカ(またかよ)。
ロシアの本質を体験した貴重な一日でございました。

4 件のコメント:

スッパマン さんのコメント...

ページが模様替えしている!

ロシアの人たちと楽しそうに交流しているようでなじんでいるようですごいですね。
賑やかで楽しそうな食卓にみえます!!

シモニフ さんのコメント...

スッパマンってまた古いな、それ。

ロシアめしは毎日食えるようなもんじゃないですが、たまになら美味いですね。

ma さんのコメント...

3*歳おめでとうございます。
素のロシア事情を垣間見られて毎度楽しいです。ハードな温冷浴ですね。ウォッカでほろ酔いで済むってもう既にロシア人・・?

シモニフ さんのコメント...

ういっす。
どうもね。
ぼくの誕生日を記憶している人物は大変貴重です。
5月9日特集は次にアップしますよー。