2010年5月11日火曜日

Victory Day 2010

一年のうちロシアで最も盛り上がる日が戦勝記念日の5月9日です。
二年前から軍事パレードが復活したのですが、終戦65年を迎えた今年はアメリカ、イギリス、フランスの軍隊もNATO加盟国として初参加したという意味不明なことも起こっています。写真はイギリス軍が行進する様子です。

式典にはドイルのメルケル首相や中国の胡錦涛国家主席などの各国首脳も数多く参加。
世界平和をみなで祈念するというよりは、単に世界の勢力図の中でロシアの存在感が増しているという印象です。

この日が誕生日のシモニフ、前日の飲み会の激闘で疲れ果て、11時頃上空を通り過ぎる戦闘機の爆音で目が覚めた。
この軍事パレードを見学に行ってみたいと毎年思うのですが、過激なナショナリストに暴行される可能性を捨てきれずいつもおとなしくしているのです。


そして、夜は先輩の家で酒盛りをするという三年連続変わらぬ過ごし方。
先日、カザフ訪問時に購入したキャビアをみんなで食べるというのが今年のメインイベントであったのです。
これです。

チョウザメの卵であるキャビアは世界三大珍味の一つで、カスピ海でとれるものが非常に有名。
これはカザフのアルマティ空港内にあるDUTY FREEにて購入。
たったの56gですが、約1万円します。
かつての乱獲によってチョウザメが激減した為、キャビアは実に高価なものになっています。
お土産に買っていくよ、と軽く言えるようなものではなくなってしまいました。
特に今回買ったベルーガという種類のチョウザメからとれるキャビアが最も希少価値が高いらしい。
モスクワのスーパーで今回買ったものと同じ量を買うには、ものによっては倍のお金が必要。

期待に胸ふくらませ、スプーンですくってそのまま口へ。

しょっぱい。
海苔っぽくない?(笑)
という感じで、期待が大きすぎた為か、まったく感動のないキャビア体験となってしまいました。
ちょっとレベルの低いキャビアを購入してしまったのかも。

というわけで、キャビアはいまひとつでしたが、奥様の手料理と毎年恒例の花火は今年も最高でした。

ちなみにロシアでは5月9日のVictory Dayに生まれた男は、ヴィクトル(Viktor)と名付けられるらしい。
ヴィクトル・シモニフとして勝ち組目指していきますわ。

2010年5月1日土曜日

メタル

ハード・ロック/へヴィ・メタルというと、もはや時代遅れのダサい音楽であると誰もが感じることでしょう。
しかしながら、80年代・90年代の古き良き時代にはビルボードのチャートを大いに賑わしたメインストリームであり、その時代を知る人間を今もアツくさせる刺激的な音楽だと思います。
ぼくもそんな人間の一人として、最近はこちらの仲間とメタル談議で盛り上がり、ライブに行きまくるようになっています。

3月18日 Scorpions


4月18日 Gary Moore

4月22日 Yngwie Malmsteen

4月25日 Metallica

という具合で、最後の3つについては8日間に集中しているという自分でも信じられないメタルっぷりです。
高校卒業後はほとんどこの世界から離れていた為、古い曲しか反応できませんが、どれも強く印象に残る素晴らしい公演でした。

そんな中で、スコーピオンズの話を取り上げてみたく。
スコーピオンズは1972年デビューという超ベテランのドイツの大御所バンドです。
彼らはロシアの親善大使となっていて、年に一度は必ずモスクワにやってくる程、絶大な人気を誇っています。
なぜかというと、“Wind of Change”という曲の影響がすごく大きいからなんです。

1990年にリリースされた14作目のアルバムに含まれたこの曲。
なんと、ロシアをテーマにしているんです。
I follow the Moskva
Down to Gorky Park
と歌詞には実際の地名も飛び出し、ソ連崩壊からドイツ統一を感動的に歌い上げています。
PVにはゴルバチョフ書記長の姿も見える。

冷戦終結、ベルリンの壁崩壊という激動の時代にあって、彼らが全世界に発信した平和祈念のメッセージソングだと理解しています。
これは、メタルの枠を超えた永遠の名曲だと思う。

さらに、スコーピオンズは88年にペレストロイカ最中のサンクト・ペテルブルクでコンサートを行っただけでなく、今や伝説のイベントと言われている翌89年のMoscow Music Peace Festivalにも参加しており、ロシアとの関わりは実に深い。ちなみにこのイベントには彼らの他にもBon Jovi, Motley Crue, Ozzy Osbourneなどの超大物が出演しています。

彼らのコンサート会場を見渡せば、10代と思しき若者もいれば孫がいそうなおばちゃんまで様々。
ロシア人のスコーピオンズ愛と、スコーピオンズのロシア愛を感じ、大いに盛り上がることができる最高のショーだった。

スパシーバ、モスコー!!
と叫ぶボーカルのクラウス・マイネの姿が今も目に焼き付いています。

そんなスコーピオンズですが、今年1月、今回のワールド・ツアー後に解散することを発表。
ただ、ツアーはover the next few yearsと公式ウェブサイトにあるので、きっとあと1,2回はモスクワに来てくれると信じてる。
次回も必ず観に行ってみたいと思っています。
ロシアではこの種の音楽の人気がそれなりに高いのか、結構レアなバンドもやってきます。ヨーロッパのバンドは距離的にも近いしね。

これで一息ついたメタル公演ですが、なんと来月このシモニフが世界で最も愛するバンド、GUNS N’ ROSESの来露が決定しています。

そんな嬉しいニュースが飛び込んできたのと時を同じくして、先日カザフスタン訪問時にバンド名そのままのレストランを見つけました。もちろんバンドに無許可でしょうが。。。