2010年6月15日火曜日

白夜のサンクト・ぺテルブルグ

先々週、ロシア第2の都市サンクト・ペテルブルグに行ってきました。
こちらのみんなに驚かれるんですが、ロシアに来てこれが初のサンクト訪問。

18世紀初めにロシア帝国のピョートル大帝が湿地であったこの地に人工の港湾都市サンクト・ペテルブルグを建設。それからロシア革命が起きるまでの約200年間はサンクトがロシアの首都でした。

ピョートルは西欧化を強力に推し進めたことで有名な人物。
政府組織、教育、都市の名称、芸術、建築などが西欧風に改められていったんです。
町を見渡すと建築物自体がヨーロッパ調であるだけでなく、町の中心を流れるネヴァ川とのマッチングが全体的にヨーロッパの都市を思わせるものが確かにある。


道路もモスクワのようにごちゃごちゃ入り組んだ作りになっておらず、運転がしやすそうだ。3泊したんですが、交通事故を1度しか見なかった。モスクワでは毎日必ず目にする程だけど。
観光名所が多く旅行客を受け入れる態勢がモスクワよりも整っている為か、地下鉄の駅や町の情報掲示板などにも英語表記があったので、これには正直驚いた。
日本人にとってはモスクワよりも住みやすそうな町だという印象を受けました。

いくつか写真をここに。

宮殿広場

世界に名だたるエルミタージュ美術館


血の上の教会

カザン聖堂



ピョートル像

イサク聖堂

他にも少し中心を離れてぺテルゴーフやツァールスコエ・セローへのエクスカーションに参加すれば帝政時代の宮殿群に出会える。
モスクワよりも観光ポイントが多いので、ロシアに旅行の際はモスクワだけでなくサンクトにも行くことをお勧めします。それよりモスクワ経由ヨーロッパに飛ぶ方がいいかもしれないけど。(笑)

サンクトの印象は全体的にとても良いものでしたが、これは季節が良かったというのが大きかったかも。
というのも、今は白夜シーズンで一日中明るいんです。
と言うと、全く暗くならないようにだけど、さすがに1時~4時くらいは暗かったです。
でも、上の写真は全て22時から23時の間に撮影したものだから、すごいよね。

この季節、23時くらいに出発するWhite Night Tourというのがあり、観光バスとクルーズ船で町の名所を案内してくれる。目玉はクルーズ船に乗って運河を進む途中で橋が真っ二つに分かれて開門するところ。

折角なので参加してみようと思い、いくつかのツアー会社の窓口に行ってみましたが、その日は英語のツアーがないとのことで断念。
次回、是非トライしてみよう。

余談ですが、サンクト滞在中、昼間はスケートリンクに出入りしていたのですが、そこでなんとあのフィギュアスケートのプルシェンコに遭遇。
しばらく間近で練習風景を見ることができました。
写真はなぜかアイスホッケーのスティックを持って子供を指導する姿。右から2番目です。

幼い頃から彼はそこで練習していたそうで、今でも毎日のように来るんだって。
そこでこんな写真も発見しました。赤い衣装の彼、すごく若いね。

さらに、日本人でロシア国籍を取得した川口悠子選手もペアの男性と一緒に練習していました。
日本人らしきやつが来ていることに気づいて、何度もこっちの方を見てきたから、話しかけてみようかと思ったんだけど、一応練習中だからやめときました。
彼女はメダルを期待されながらバンクーバーでは無念の4位。
14年のソチ五輪では彼女を含め、地元ロシア選手の奮起に期待でしょう。

PS 我らが本田のゴールでW杯初戦勝ったな!

2010年6月13日日曜日

ガイーとの攻防

もうすっかり昔の話ですが、例の往年のプレーヤー達によるテニスを観戦した後、車を運転しての帰宅中、後ろからパトカーに呼び止められました。
同乗していたロシア語が堪能な友人によると、その交通警察官(ガイー)は、ぼくが信号無視をして右折したと言っているらしい。
身に覚えがなかったんですが、確かに横のレーンの車は走り出していなかったなぁ。

警察と応対する時はいつも「ロシア語わからない」と英語で接していますが、この時もそう。
ロシア語ができない外国人に付き合っていても仕方ないからリリースしてやろう、と思わせる作戦です。
それがダメなら、賄賂を渡すのではなく法律に則った手続きを踏んで罰を受けてやろう。賄賂で解決するのが一般的なロシアでガイーが本当に正式なペナルティーを課すのかどうかを確かめてみたいと思ったんです。

とりあえず、車を降りて後ろに停車しているパトカーの助手席へ。
ロシア語でたたみかけてくるガイーに対して英語で「知らない」「わからない」と適当に対応。
どうやら彼はお金を要求するそぶりもなく、真面目に違反の切符を切ろうとしている様子。
そして、所定のフォーマットに免許証の個人情報を記入し始めた。
さらに、英語の話せる友人に電話をし、その彼を通じて「700ルーブルを警察署に支払いに来なければならない」と伝えてきたんです。

こんなガイーもいるんだ、と感心しながら、その通りやってみようと用紙が記入されるのを待ちました。
かなり多くの情報を書かなければならないようで、パトカーの中で暇だったわたくしは、ふと思いたち、車で待っている友人にパトカーの中から電話をして写真撮影を依頼。

どうでしょう。ガイーの横でほほ笑むシモニフ。

結局、最後に用紙への署名を求められたので書こうとした瞬間、署名欄の横にある日時が目に入りました。
どうやら警察署に出向いて罰金を払う時間帯が記されているようだったので、「この時間は働いてるからいけない。無理です。」など色々言ってみました。
実際、ちょうどはずせない会議が入っていたんです。

「この時間に来なさい。」
「いや行けない。」
「来なければいけない。」
「無理だって。働かないといけないもん。」
というようなやり取りを繰り返しまくり、最後の最後になってそのガイーが、
「わかった。もう行け!」
と言って、リリースされることになりました。(笑)
30分間程のガイーとの接触の果てに、700ルーブルを踏み倒したわけです。(笑)
珍しく真面目なガイーだったのに、ちょっとかわいそうだったかな。

そんなことがある一方で、失敗談もあるのです。
一か月程前、一方通行の小道を逆走してしまい、運悪くガイーに捕獲されてしまいました。
この違反は免許停止6か月のペナルティーを科せられるらしく、免許証も取られて携帯できなくなる。
わざわざご丁寧に交通法の冊子みたいなものを見せながら説明してきたガイー。
始めに免許を手渡していたので、なんとか取り戻さないといけない。
英語で何分間も「それは困る。なんとか免許を返してくれ。」と言ってはいましたが、これは金を渡してリリースしてもらうしかないなと思っていました。

すると、むこうから「Dealだ」と切り出してきた。
その英単語だけは知ってるのかよ。(笑)
と思いつつも、仕方なく値段交渉に入る。
初っ端に「10,000ルーブルだ(≒32,000円)」とほざいてきたので、ふざけんなと思い、2,000しか持っていないときっぱり宣言。 実際その時は15,000ルーブル程持っていたけど。
それじゃ話にならない、というそぶりのガイー。
「2,000しかないからそれ以上払わない」の一点張りで数分後に納得させた。
本当は1,000くらいにしたかったのだけど、あまりに低くてむこうが逆ギレしても困るからと思ってね。まあ仕方ない。

今、日本の免許証とその翻訳証明で運転しているのですが、国際免許証で運転することも可能。去年まではそれも携帯していたのだけど、正月休みで日本に帰国した際に新しいものを取得し忘れてしまって。
ダブルで持っていたら、国際免許証を渡してしまっていても、ガイーに対して強気に交渉できるなと今回思いました。別に持っていかれてもいいし。

ま、そんなわけで、こんなガイーと戦いも生活の一部になりつつあるシモニフです。

ガイーの不正絡みでは、こんなおもしろニュースもあります。
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2708082/5472254
また、2008年のデータですが、世界の賄賂指数ではロシアが最悪となっているというニュースも。
http://news.livedoor.com/article/detail/3953675/

政府は汚職の取り締まりを優先事項に挙げているし、昔から生活している日本人の方に言わせると、徐々にましになっていると言いますが、何といってもロシアですからねぇ。
まだまだ、先進国とは程遠い世界です。